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2020/07/21

個と個が向き合い、幸せな不動産購入をできる業界へ - 8 Answers Vol.01 Ryosuke Eguchi

執筆者:

上原 晶

不動産メディア・住宅関連サービスを開発する株式会社TERASSは、2019年4月に創業し、2019年8月に厳選された都心マンションを紹介するハイエンド不動産ポータルサイト「TERASS」のβ版をオープンした。2020年6月には、新サービスであるエージェント提案型家探しサイト「Agently」のサービスを開始したばかりである。

創業者の江口亮介氏は、株式会社リクルートに新卒入社、マッキンゼーアンドカンパニーでの経営コンサルティングを経てTERASSを設立した。輝かしいキャリアを積んでいるように見えるが、実は苦労が多かったという。新卒の頃に意識していた起業という選択肢を転職のタイミングで思い出し、日本ではほとんどアップデートが起きてこなかった不動産業界を変えるため、エージェントを支援する立場から既存の仕組みや慣に立ち向かっている。江口氏に伴走するのは、現インキュベイトファンドのジェネラル・パートナー村田祐介氏だ。起業に至るまでにも長い時間をかけて壁打ちをしてきた2人の話は、一貫して明確なビジョンがあるものだった。

既存の経済・社会の仕組みやルールでは達成できない「インパクト」を創出すべく、スタートアップとして課題に取り組む未来を創る挑戦者と、彼らと一緒に取り組むベンチャーキャピタリストの対談シリーズ「8 answers」。起業家が社会に残そうとしている世界観や、それに対する彼らの情熱をお伝えする。

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プロフィール

江口 亮介(えぐち・りょうすけ)
慶応義塾大学経済学部卒業。2012年に株式会社リクルートに新卒入社(現リクルート住まいカンパニー)し、SUUMOの広告企画営業として、約100社以上の不動産ディベロッパー担当。その後、売買領域のMP(Media producer)として、SUUMOの商品戦略策定・営業推進・新商品開発などに関わる。
2017年にマッキンゼーアンドカンパニーに入社し、戦略・マーケティングを中心とした経営コンサルティングを手がけた後、2019年4月に株式会社TERASSを創業。
個人で3回の不動産購入、2回のフルリノベーション、1回の不動産売却を経験。

村田 祐介(むらた・ゆうすけ)
インキュベイトファンド General Partner
2003年にエヌ・アイ・エフベンチャーズ株式会社(現:大和企業投資株式会社)入社。主にネット系スタートアップの投資業務及びファンド組成管理業務に従事。
2010年にインキュベイトファンド設立、代表パートナー就任。
2015年より一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会企画部長を兼務。その他ファンドエコシステム委員会委員長兼LPリレーション部会部会長を歴任。

キャリア検討中に思い出した、起業という選択肢

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――まず最初に自己紹介をお願いします。

江口:こんにちは、株式会社TERASSの代表をやっています、江口と申します。弊社は不動産仲介事業の非効率性や不合理を現場から無くすことを目指して、個人の不動産エージェントが活躍できるプラットフォームを提供しています。日本でバーチャルブローカレッジを確立せよ、ということで事業を展開しています。よろしくお願いします。

村田:インキュベイトファンドの村田と申します。2010年5月10日に1号ファンドを組成し、インキュベイトファンドは創業してちょうど10年のベンチャーキャピタルになります。私自身その前はエヌ・アイ・エフベンチャーズ(現:大和企業投資)で7年間VCのキャリアを積んで、トータルで丸17年強ぐらいのVCのキャリアを持っています。本日よろしくお願いします。

――よろしくお願いします。では早速ですが、江口さんは新卒でリクルートに入社し、その後マッキンゼーに転職したというキャリアです。そこからなぜ会社を創業しようと思ったのでしょうか。

江口:大元のきっかけはマッキンゼーでマネージャーに上がれたタイミングで、もっとチャレンジングな仕事をしたいと感じたことです。コンサルタントとして問題を解くことはすごく好きだったのですが、マネージャーはチームメンバー、パートナー(上司)、クライアントと、相対する先が多くいため、自分のために仕事をしているという感覚があまりなく、少しモチベーションが湧かなくなってしまっていました。

最初は急成長しているスタートアップのマネジメントポジションとか、外資系企業の日本法人代表とかやりたいなと思って転職活動を始めたんですけど、フォースタートアップスさんの志水さんに会った時に「江口さん、起業した方がいいですよ」って言われて、「ほう」みたいな、「そう来る」みたいな感じで(笑)。思い返せば私、新卒1、2、3年目ぐらいの時に起業したいと思っていたなと。社会の荒波に飲まれて、なかなかそんな簡単じゃないということを思い知って、そこからはビジネスマンとしてのキャリアをどう築いていくかということをやっていたんですけども。

ふとそこで立ち返って、起業に向けて考えてみますと伝えたところ、「いくつかVCさん紹介してあげるよ」、「してください」ということでお会いしたのが村田さんでしたね。そこから事業プランを詰めていって、僕も不動産業界に対する思いも色々あり、これやるんだったら俺だろうみたいなところがあったので起業するに至ったという感じですね。

――当時の江口さんは村田さんから見てどう映りましたか?

村田:私は「起業家を増やしたい」という思いから、フォースタートアップスさんの前身となるネット人材バンク事業部の頃から、志水さんと「起業したい人、あるいはこの分野で起業を志す人がいないか」と、「ピンとくる人がいたら紹介してほしい」という連携をしていました。その中で、江口さんを紹介してもらったのはちょうど2年前ぐらいですかね。その時点で多分心の中では起業してみたいというのはあったと思うんですけど、まだどんな形でスタートできるかということを模索するような時間からスタートという感じですね。

一番最初の印象からしてクレバーだしコミットメントも高く起業家向きだと思いました。一番最初に会った時点から不動産事業をやろうという話をしたというよりも、会って深掘りしていく形でした。その中で、僕自身が追いかけているテーマでも江口さんが元々得意なテーマでもあるということで、不動産の新しいイノベーションがシリコンバレーでたくさん起きているよねという話題ですごく盛り上がって、ここの領域で一緒にやろうという話をDay1からしました。そこから半年ぐらいかけて2週間に1回ぐらいのペースでずっと壁打ちをして、事業を一緒に考えて「ああでもない」「こうでもない」と行ったり来たりしながら事業を詰めていったという流れでスタートを一緒にできたという形ですね。

情報をオープンにし、個が活躍できる不動産業界へ

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――先程シリコンバレーと比べてという話がありましたが、アメリカと比べると日本は周回遅れだとも言われておりますが、このマーケットの課題はどの辺りにありますか?

江口:一番の課題は不動産に関するデータが集約されてないということに尽きます。アメリカで言うと、MLSという州が管理している不動産のデータベースに物件が売れたら必ず登録しなきゃいけない、物件を預かったら必ず登録しなきゃいけないという義務があります。ところが日本で同様の仕組みとして稼働しているはずのREINSは非常に緩くて、なかなかデータが溜まっていかないんですよね。

これは商慣習というか国交省が作っているルールなので、仕方がない部分もあります。根本から変えてもらいたいなと思いつつ、不動産に関するデータが貯まっていかないために色んな非効率性が生まれてきてしまっているのが現状です。

自身でデータを持っている大企業が強いというところが変わっていかない、だから生産性が低くても成立してしまっているという現状が課題感かなと思っています。

――ありがとうございます。村田さんは元々このマーケットに興味があったんですか?

村田:そうですね。不動産関連のスタートアップってアップデートがずっとあまり無かった領域かなと思っていて、インターネットが商用活用されてから20年間強で、客付けのためのポータルサイト、物件のポータルサイトの延長線上のものしか大きく立ち上がった事例はないんですね。その代表的なところが江口さんの元々の古巣であるSUUMOであると。上場企業もいくつか不動産関連は生まれてはいるものの、根本的なその課題解決、業界構造を変えるような一手になるようなスタートアップはずっと無かったんですよね。

逆にアメリカはもうこの10年間の中でたくさんアップデートがされています。単純にその物件の情報を掲載してマッチングさせて客付けしてあげる以上の、住環境に関する緻密な情報が周辺から集まる仕組みや、物件の価格を自動的に算定する仕組みが提供されていたりとか。業界構造がアメリカと日本で違うので、個人のエージェントが強いポジションとなっていたり、業界のビジネスモデルと慣習と法律も全然違うというところもあるんですが、その構造があるからこそアップデートがかかりやすいというところがもしかしたらあったのかなとも思います。

なぜ日本ではアメリカの不動産マーケットのような個が活躍するマーケットじゃないんだろうか。日本では大手の不動産事業者が組織の信用力と組織で積み上げた大量の物件インベントリで強い商流を作っていますがその成果を出しているのはあくまで個人です。ただし彼らはあまり報われていません。

一方でアナロジーとして、証券業界はどんどん個に集約されていっていると思うんですね。証券業界の中でもインベストメントバンカーはとても社会的地位も収入も高くて、このバンカーが動くだけで会社全体が大きく変わってしまうような世界で、どんどん独立もしていく。こういう構造に日本の不動産業界もやっぱりなっていくべきだよねという話ですごく盛り上がったんですよね。

――なるほど。

江口:日本で有名な不動産エージェントって誰ですかね?って聞いても誰も思いつかないじゃないですか。アメリカだとたくさんいるんですよ。その人がこっちからこっちに移籍したよっていうぐらいでニュースになったりするんです。彼らはすごく発信もしてるしテレビ番組も出るし、ツイッターとかインスタグラムのフォロワーもすごく多いし。

――ネットフリックスでも不動産エージェントの番組ありますね。

江口:そうそう。っていうのがなんで日本では起こらないのかなと。一つは情報がオープンじゃない、持っている個人じゃなくて会社が強くなっていくというのがあるんですけれども、もう一つは今まで新築物件主体の市場構造で供給元を抑えた大手企業が強い世界から、中古物件市場が逆転して増えてきたことでエージェント個人が情報発信をして信頼を勝ち取り個人で売買が完結するような世界にシフトするタイミングなんじゃないかなと思っています。

お世話になったエージェント個人に価値を返したい

――そういった課題がある中で、その領域でスタートアップをやると決めた、当事者として自分がこれをやりたいと思った原体験のエピソードがあれば教えてください。

江口:私はこれまで家を3回買って2回売ってるんですけど。初めて買ったのは26歳ぐらいの時ですね。その時は丁寧に接してくれるエージェントと一緒に探していたんですけど、なかなか良い物件が見つからなくて。というのも「新耐震で新しいマンションでこれぐらいの広さでこれぐらいの区画で」というありそうで無い物件をずっと探していて。やっぱり物件買えないのかなという時に、エージェントから古い物件も悪くないですよみたいな話を受けて、価値観が変わったわけですね、条件が整理されたというか。

そういう提案ってSUUMOじゃ絶対に提案してくれない訳ですよね。SUUMOって、希望条件入れて、条件に合致した物件が出て終わり。そうではなく、ちゃんと説得・コンサルしてくれた人がいた。それが最初の原体験だったんですよね。

その後も売ったり買ったりしながら、でもやっぱり良い家を買える時というのは常にこの「良い人」の存在が必要で、物件情報を右から左に流してるような人に価値は無いんですよ。それはSUUMOでいいしAIでいいと思う。ただし、僕がやりたい「暮らしに対する希望を吸い上げて、整理して、提案をする」というプロセスに関してはまだまだAIでもできないし、ここは人がやってほしいと思っています。この「人が取り組むべきこと」に集中するために、不動産エージェントの雑多な業務を効率化できるんじゃないかなと。これこそがやりたい事業だなと思った、これが原体験ですね。

ビジョンに共感して自ら発信してくれたエージェントの存在

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――ありがとうございます。実際に事業を始めて、お客さまと対峙している中で嬉しいと感じる瞬間や、やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

江口:ちょうど今週の月曜日に、関係者の方々と我々がサポートしているエージェントの方々をお呼びしてサービスリリースパーティを開催して、嬉しい瞬間が2つありました。1つ目は、私たちのサービスを使って家探しが捗りましたと言ってくれる人の動画を流したんですけども、それを見て世の中に価値を生み出しているなと思って、リクルート流に言うと「まだここにない出会い」を生み出したなというところがありました。

同時にそれをサポートしていただいたエージェントの方が熱い思いを語ってくれて、その人も「やっぱり大手が強いです今は。だけどやっぱり大事なのは個の力で、個をサポートしてくれるTERASSさんのおかげですごい助かってるし、みんなで業界変えていきましょう」みたいことを、私たちじゃなくて私たちがサポートしている人たちから言ってくれたのがすごい感動的で。やりがいというか、これ!っていう感じですね、これだよ!!っていう(笑)

村田:あれはもう僕も一緒に見てて、これは来たなというか。

江口:泣きそうでした。今の方が泣きそうなんですけど、言っていて(笑)あれは感動しましたね、本当に。我々のビジョンに共感してくれて発信してくれたというのが、これ!って感じですね(笑)何て言うんだろう、パラダイムシフトを感じたというか。

先輩を真似し、意識して身につけた巻き込み力

――素晴らしいですね。個人のエージェントや個人で家を探している人が、高級物件の購入という大事な決断をTERASSさんというスタートアップに頼もうと思うような、巻き込み力が江口さんにはあると思うんですが、そういう周りの関係者をどう巻き込んで増やしていったのか、何かきっかけだったりとか意識していることはありますか?

江口:意識しているのは「意識をすること」だと思っていて、勝手に生きてて自然と応援される人っているじゃないですか、ルフィみたいな。そういうの羨ましいですよ。私は意外と妬まれやすいし、調子乗ってるんじゃないかと思われがちなので。逆にこの人に応援してほしいと思った時に、じゃあどうすれば応援してくれるかなというのは結構真剣に考えます。

社員になってほしい人がいたらその人の気になってることなどを情報収集して、この人がこういう人なんじゃないかとちゃんと把握した上で口説きます。例えば必要であれば村田さんに協力してもらうこともあれば、その人の上司とうまく繋がって説得してもらうこともあれば、やれることを全部やります。参画してほしいエージェントの方がいたら当然会って口説くのもそうなんですけど、同僚とかにどんな人か聞いて、きっとこういうニーズを持っているじゃないかと予想して、そこに対してただ言うのもそうですけど色んな準備をして仕立てて攻めにかかるという、下準備を大事にします。

――誰か一人、すごい頑張って口説いた人を挙げるとしたら誰ですか?

江口:CTOですね。元々事業化する時に「テックサイドの人と一緒に創業しなさい」と村田さんにおっしゃっていただいて、そうだなと思って、創業前から探していました。
縁あって出会った現CTOは元々全然知り合いでもなかったんですけども、初回からこの人いいなと直感的に思って、相手も思ってくれたものの、どう巻き込んでいこうかなといった時に、例えば先程言ったような2週間に1回とか週に1回とか、村田さんと壁打ちしていたところに来てもらったりとか、彼の友達とかに僕のレファレンスを取ってもらったりしました。あとは熱意ですよね。どっちも大事ですよ。

――村田さんから見て、江口さんの人柄、特に人を巻き込むときの良さってどういうところだと思いますか?

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村田:人間力がものすごい高いですよね、江口さんって。マッキンゼー出身の人のイメージってすごいキレキレのドライなイメージというのがステレオタイプにあると思うんですけど、江口さんはそういうタイプでは全くなくて。頭はキレキレに当然いいんですけど、ものすごく人を想う人というかすごい気を遣う人で、そこに人が集まってくるということをすごい感じますよね。共同創業者の採用から江口さんと僕で一緒にやろうということで、現CTOの採用も一緒に何回か面談したのですが、今いる面々の大半は僕も入社前に一緒に見極めよう、あるいは一緒に口説こうということで同席しました。

そこから先のチーム作りという点で、みんなが江口さんを慕っていてついてきている感じをもうすごい感じますよね。何か面々の記念日があったら率先して祝ったりとか、会社のイベント的にもこの間のプロダクトのローンチのイベントだけじゃなくて、事あるごとに盛り上げに行くというのを江口さんが率先してやっていて、横で見ながらやっぱり人間力がとても高いなというのを強く思っています。

必ずしもスタートアップって能力だけ高い人をダーッと集めてくることが是では無いと思っていて、同じ価値観をちゃんと共有できて同じセンスで同じ会話の”間”だったりとか、話しててストレスがないチーム作りがとても大事だと思っているんですけど、TERASSのチームはそれがもう完全にできているなというのをいつも感じているので、とてもチーム作りが上手いなと感じています。

江口:ただ私もそれを意識的にやってるっていう話で、皆さんの誕生日はカレンダーに入っているわけです。1週間前にはアラームが鳴るわけですよ。そもそもやっぱり一緒に働く仲間である家族なので、気持ちよく働きたいと思います。それは当然、前提としてありますね。

苦労を糧に自分の成長につなげる

――そのマッキンゼーでの経験もそうだと思うんですが、何か自分を形づくった経験とか、こういう経験をしたから今に生きているというのはありますか?

江口:私は苦労・失敗を糧に、負のエネルギーを糧にして生きていて。意外と悔しがり屋だし根に持つタイプ(笑)。そんな感じでやっているので、例えばマッキンゼーだとすごい近い距離感で働くので、その時のマネージャーとかがこういう風に誕生日祝うとか、ちゃんとみんなの前で褒める、称賛するとか、ここまでやるんだみたいなことをしっかり自分の糧にして、逆に自分ができなくて悔しいこともあるので、そういう人の良いところをたくさん真似てやっていっているというのがあるかなと思いますね。リクルートの時も結構苦労したので、私は特に1年目とか。そういうのを糧に人のいいところを真似て、自分を形作っているという気がしますね。

――苦労されてたんですね。すごい素敵なキャリアですが。

江口:苦労なんてせずに生きたい(笑)けどね、違うんですよ。

個が活躍できる会社が、個が活躍できる不動産業界を作る

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――文化の話が出ましたけど、今後10年、20年でどんな組織を作っていきたいか、どんな文化の会社を作っていきたいかというのはありますか?

江口:うちは個が活躍できる会社というのを目指していて、社員のメンバーは当然そうですし,我々がサポートしていきたいエージェントの人たちもそうです。やっぱりこの社会構造的に、昔はみんなができる仕事をみんなでやることが会社の生産性を向上させていたんですけど、今は人工知能がありシステムがあり、みんなが出来る仕事は自動化されちゃうんですよ。そうなってくると、その個人が持っている本当に強い部分が活用、活躍出来るようになっていかないと、企業って伸びていかないんですよね。

そう思っているので、我々のチームメンバーは、まず自分で自己発信してほしいし、自分の研鑽のために時間を使ってほしいし、というのを僕らも会社としてサポートしたいです。エージェントは言わずもがな所属員ではなく日本のトップエージェントとして名を馳せられるような存在になってほしいですし、そこを我々がサポートしていくことで、彼らの売上が上がるだけじゃなく、良いエージェントだけど今まで月2本しか契約できなかった人が、色んな業務が効率化されて月4本契約出来るようになれば、幸せな住宅購入する人が2人増えるんですよ、っていうのを目指して、個人が活躍できるような環境というのを不動産業界にもたらすのが私がしたいことですね。

――村田さんもキャピタリストとして様々な会社の採用や組織づくりをお手伝いされていると思うんですけど、そんな村田さんから見てTERASSの会社の採用とか組織の強いところ、良いところはどこですか?

村田:個がすごい大事なビジネスモデルですが、エージェントの中でもどこかに所属している方ではなくて、本当に個人事業主として不動産の事業をやっていくという方たち、更にその中でもトップクラスのエージェントたちを集めてくる。ものすごい実績を挙げた方々が次々に参戦してくれて、その方々にTERASSの社員になってもらう形ではなく、「TERASSエージェント」という仕組み提供して彼らに活躍してもらっています。

要は、江口さんの強いところは、完全に会社の中に入ってくるというよりもそこにかなり近いポジションで間接的に関わってくるという組織と、自分たちのTERASSというプロダクトを作っていく組織、両方とも作っていく、難易度も高いチャレンジをしているというところ。

そもそも業界構造的に、◯◯不動産という大きな看板がやっぱりあるから、物件の仕入れも出来るしエージェントもその看板があるからお客さんが来て売れるっていう構造にずっと染まっている業界なんですよね。加えて、法律では事実上禁止されている囲い込みということを実態としてやってしまっている事業者も複数います。自分たちで引っ張ってきたデータをREINSという共通のデータベース上に登録する前に、自分たちで売り主と買い主とを勝手にマッチングさせてしまう、一応合法的なように見えて、非合法な形での商慣習が強く根付いてしまっている。ここを変えていきたいというところが実は会社のミッションとしては持っているんですけども、それこそ大手の事業者であれば、親会社と子会社間で売りと買いの両手取引を囲い込みという形でやってしまっている事案があったりして、組織的に歪んだ構造がずっと残っちゃっているんですよね。それに加えて、デジタルトランスフォーメーションとは程遠い非常に煩雑な紙と判子と対面とというのが前提となった法律とかがあるから、個が活躍するのに非常に難しい構造が根付いちゃってるんですよね。で、これごと変えに行きたいという話なので、難易度の高いチャレンジをしようとしているところではあるんです。

でも、実際それが実現出来ると、住みたい家に住めるし、自分が住んできた大事な物件を手放すという判断をスムーズに出来るようにする仕組み、というのがそこで初めて出来るようになる。で、そこでの仲介業をやっていくエージェントの個の付加価値が最大化していくということになる、これをサポートしていく仕組みをTERASSで作っていくことでなるんです。難易度は高いと思いますが、この仕組みに共感してもらうためのTERASS自身のミッション・ビジョン・バリューというのを時間かけて考えて、それに共感してくれる社員たちもそうですし、やっぱりエージェントたちにそれに共感してもらうというところが今の組織作りにとても寄与している。そんなところも含めてとても良いチーム作りのDay1ができているんじゃないかなという感じがしています。

江口:難しいことチャレンジしてるなって思いますよ。関係者が多いですし。もっとシンプルなビジネスしたいななんて思いつつも、けど私がしたい、成したい世界はこうじゃないと変わらないと思っているので、歯を食いしばって頑張っているという感じです。

幸せな不動産購入をできる人を増やしたい

――ミッション・ビジョン・バリューの話が出ましたが、最後に、この事業を通してどんな社会にしたいか、この会社がどんなビジョンを持っているかを教えて下さい。

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江口:色んな言葉が社内ではあるんですけれども、私がやりたいのは何度も言っているように個の活躍で幸せな住宅購入を増やすことだと思っています。さっきも言った通りイケてる不動産エージェントって誰ですかと言われて答えられないってすごくもったいないと思っていて。けど人生で一番大きな買い物なんですよね、資産性、資産形成という側面もあれば、QOLを上げるという側面もあって、どっちも満たしにいく人生で一番大事な買い物だと思うんですよ。そこに対するプロフェッショナルがまだまだ少ない、それって会社じゃなく個人だと私は思っているので、個が活躍できる社会を作ることによって皆さんの家探し、家の購入、暮らしというものが豊かになると思っているので、そんな社会を作りたいなと思っています。

――ありがとうございます。これで質問は終わりですが、最後に本記事の読者にメッセージをお願いします。

江口:起業に興味がある人が見ていると思うので、まずその方に対するメッセージとしては、この世の中起業するリスクってあまり無いな と思っていて、当然ありますよ、ゼロとは言いませんけど、ただ挑戦したことの方のベネフィットがリスクを上回ると思っているので、ぜひ悩んでいる方はチャレンジしてほしいなと思います。

同時に、不動産業界に興味がある、私に興味があるという人はぜひご連絡いただければお話したいなと思いますので、待ってます!

――ありがとうございました。

上原 晶

寄稿者

慶應義塾大学商学部に在学中。ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」のインターン生として、リサーチ業務などを担当しています。中国語を学習しており、中国スタートアップに興味があります。大学卒業後はベンチャーキャピタリストとして、起業家と伴走していきたいと考えています。

慶應義塾大学商学部に在学中。ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」のインターン生として、リサーチ業務などを担当しています。中国語を学習しており、中国スタートアップに興味があります。大学卒業後はベンチャーキャピタリストとして、起業家と伴走していきたいと考えています。

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