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2021/06/7

VC基礎知識#1 ベンチャーキャピタルとは?ビジネスモデル・ワークフロー・報酬についてわかりやすく解説!

執筆者:

Zero to Impact編集部

起業を志した際に多くの方が検討するであろう、ベンチャーキャピタルからの資金調達。ベンチャーキャピタルがどのような仕組みで動いているのか、どのような種類があるのかを知った上で彼らとコミュニケーションを取れると、双方の会話がよりスムーズになることに繋がるかもしれません。今回は、ベンチャーキャピタルの基礎知識をお伝えしていきます。

※本記事は、インキュベイトファンドの新卒向け会社説明会の内容を記事化したものです。

ベンチャーキャピタルとは?ビジネスモデルの概要をわかりやすく解説

ベンチャーキャピタルを教科書的な定義で表すと「スタートアップに投資してリターンを得るプライベートエクイティファンドの一種」といえます。ビジネスモデルを図にすると上記の通り。出資者と呼ばれる機関投資家や個人投資家、事業会社からお金を預かり、そのお金を原資としてスタートアップに出資します。そのスタートアップが上場したりバイアウトしてどこかの会社に買収されるときに、株を売却してその売却益を出資者にリターンとして提供しつつ、その一部を成功報酬としていただくという形のビジネスモデルとなります。

ベンチャーキャピタルとは?ワークフローをわかりやすく解説

ベンチャーキャピタルの仕事のフローは大きく分けて6つのフェーズに分けられます。

①ファンド募集:これから作るファンドの投資戦略や方針を固め、自分たちのファンドの出資者を集る
②投資仮説リサーチ:投資先を見つける準備として、市場・技術・企業をリサーチ
③案件ソーシング:投資先候補者と会話し、投資条件を詰めたり投資契約書を作成する
④ポートフォリオ支援:投資後にどのように支援していくのかについては、VC各社様々です。
⑤エグジット:上場もしくはM&Aのフローを支援します。
⑥ファンド分配:成功報酬の分配計算や実行を行います。

また、上記の他にもコミュニティ形成やネットワーキング、ナレッジ蓄積・共有、ファンド管理を専門とした部隊が存在します。

ベンチャーキャピタルとは?運営主体や投資スタイルなど、種類をわかりやすく解説

「ベンチャーキャピタル」と一口に言っても、誰が何の目的で運営しているのかは様々です。ここでは運営主体(投資目的)と投資の仕方の2つの観点から解説していきます。

運営主体(投資目的)


運営主体や投資目的で分類すると、大きく独立系VC、CVC、金融系VC、政府系VCの4種類に分けられます。独立系VCとはベンチャーキャピタルを主な事業として行う事業体で、インキュベイトファンドも独立系VCに該当します。CVCとはコーポレートベンチャーキャピタルの略称で、事業会社のベンチャーキャピタル部門という位置づけになります。純粋なリターンを求めた投資をする会社、、本業とのシナジーを目的とした投資を行う会社、あるいはその両者を追い求める会社など、一口にCVCと言っても目的や戦略は様々です。金融系VCとは金融機関のベンチャーキャピタル部門を指します。具体的には銀行や証券会社、生命保険会社や損害保険会社などが当てはまります。年当たりの金融リターンを目的に投資しています。政府系VCとは各省庁や独立行政法人が主体となるVCで、クールジャパン機構などが該当します。特徴として比較的大きな金額を民間投資として出資しています。どのVCが優れているなどはなく、協調投資や情報交換が頻繁に行われることも多く、スタートアップ業界を盛り上げるためにお互いが協力し合って共存しています。

投資の仕方

投資の仕方は大きく4つのセクション(投資ステージ、支援スタイル、投資スタイル、投資領域)に分けられます。投資ステージには主にシード・アーリー・ミドル・レイターの4ステージがありジがあり、シードは創業初期段階、アーリーはる創業してから会社が軌道に乗るまでの段階、ミドルはユーザーが増え始め事業展開を本格的に進める段階、レイターは上場直前の段階のことを指します。支援スタイルにはハンズオンとハンズオフの2種類があり、ハンズオンはVCがしっかりと企業に入り込んで支援を行い、、ハンズオフは投資をした後は基本的に起業家にお任せして支援を行います。。投資スタイルにはリードとフォローの2種類があり、リードVCは支援を積極的に行い、フォローVCはリードVCと協力しながらフォローという形で支援を行います。投資領域には特に領域を絞らずに全般的に投資をするVCもいれば、特定の領域や産業、ビジネスモデルに特化しているVCもいます。これら4つのスタイルのかけ合わせがファンドの投資戦略となります。インキュベイトファンドはシード期に特化し、ハンズオンスタイルで全般的にリード投資を実行しています。

ベンチャーキャピタルとは?報酬についてわかりやすく解説

ベンチャーキャピタルの報酬は大きく分けて2つあります。1つは管理報酬(マネジメントフィー)で、日々の運営費として毎年ファンド運用総額の約2%を回収します。もう1つは成功報酬(キャリー)で、エグジットした際にリターンが出た場合、そのうちの20%を回収します。

ベンチャーキャピタルとは?キャリーについてわかりやすく解説

ベンチャーキャピタルは、数年後に伸びる確率が高い会社に投資をするのではなく、確率は不明ながらも数十倍にもなりそうな会社に投資を行います。つまり投資の勝率はあまり重要ではなく、どこまで成長するかがファンドのリターンを決定します。FacebookやGoogleのような大成功した会社に投資をしていた場合、ファンドに大きなリターンをもたらしますが、小規模での成功の場合、大きなリターンはもたらしません。

ベンチャーキャピタルとは?リターンについてわかりやすく解説

リターンについて銀行とと比較すると、ベンチャーキャピタルは投資先が一つでも成功すれば利益が出るビジネスになっており、打率よりも打点を重視しているのに対し、銀行は投資先が一つでも失敗するとリターンがでないため、打点よりも打率を重視しています。つまりお金の供給やリスクの観点から違いがあります。またベンチャーキャピタルとコンサルティング会社を比較すると、収益の出し方に違いが挙げられます。ベンチャーキャピタルは基本的に出資した資金に対して対価を得ますが、コンサルは自分たちが提供する労務に対して対価を得るビジネスモデルです。

ベンチャーキャピタルと銀行やコンサルの違いには、金銭の取引相手という要素もあります。一般的な業界は取引先から手数料や金利をいただきそこから収益を得ています。一方ベンチャーキャピタルの場合はお客さんはファンドに投資してくれる投資家の方々であり、普段一緒に仕事をする出資先の起業家の方々からはお金をいただくことはありません。また収益が出る場合も株の売却による収益なので、支援している会社から直接お金をいただく形にはなりません。そのため日頃接している人たちからはお金を取らないという理想的な関係性が構築されています。

まとめ

・ベンチャーキャピタルとは投資家から預かった資金を起業家に投資して運用する会社である。
・ベンチャーキャピタルの収益は主にファンドの運用費とエグジット時に得られるリターンの2つである。
・ベンチャーキャピタルは銀行と比較すると打率よりも打点を重視する。

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Zero to Impact編集部

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VCが運営するスタートアップ・VC業界の情報発信マガジン「Zero to Impact」を運営しています。起業家の魅力や、スタートアップへのお役立ち情報を発信します。ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」が運営。

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