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2024/08/21

起業家に教えられた、新卒だからこそできること。奮闘するアナリストたちの座談会レポート

執筆者:

Zero to Impact編集部

インキュベイトファンドが、業界初の独立を前提とした新卒採用を発表してから4年。我々の志は、変わらず「日本に、シード期のゼロイチのフェーズで投資ができるジェネラル・パートナーを増やすことで、日本経済の勃興に貢献する」ことである。少しずつ「ベンチャーキャピタルの新卒採用」という選択肢が浸透してきたものの、まだまだその選択肢自体はもちろん、新卒VCの入社後についてイメージがつかない方も多いのではないだろうか。そこで今回は、今年で入社3年目を迎える「2期生」から、今年の4月に入社したての「4期生」まで、それぞれの期から1名ずつを迎え、キャピタリストとしての現在の思いを聞いた。

【プロフィール】
丸山 唯我(まるやま・ゆいが)
東京大学文学部にて近世イングランド史を専攻。東京大学ラクロス部男子では主務としてチーム運営の責任者を担い、並行してラクロス協会専属スタッフとして広報活動に取り組む。長野県育ち。2022年よりインキュベイトファンドに参画。事業開発アナリストとして新規投資先の発掘に従事。

中村 真理(なかむら・まり)
早稲田大学商学部井上達彦研究室にて、ストーリーとしてのビジネスモデルが資金調達に与える影響の研究に携わる。3年次から並行して独立系VCのYazawa Venturesに参画し、アクセラレーションプログラムの運営をはじめとするファンド業務ならびに投資先へ複数社出向。2023年よりインキュベイトファンドに参画。事業開発アナリストとして新規投資先の発掘に従事。

橋本 駿(はしもと・しゅん)
慶應義塾大学経済学部出身。大学では体育会野球部に所属し、4年次には外野手として全国大会優勝を経験。2024年よりインキュベイトファンドに参画。事業開発アナリストとして新規投資先の発掘に従事。

アナリストとして知識以上に大事なのは、信頼関係の構築

ーーついに新卒採用が6期目を迎えるということで、本日は事業開発アナリスト2期生からまだ入社したばかりの4期生まで、各期1名ずつに集まってもらいました。まずは、簡単にそれぞれ自己紹介をお願いします。

丸山: 2022年に2期生として入社しました、丸山です。大学時代は、東京大学の文学部で歴史を勉強しながら、ラクロス部に所属していました。部活の先輩のご縁でインキュベイトファンドを知り、入社しました。

中村: 早稲田大学商学部出身の中村です。新卒3期生として2023年に入社しました。大学ではスタートアップの研究をしており、赤浦が創業出資した会社であるSansan株式会社の研究をしていたことから、インキュベイトファンドを知りました。

橋本: 2024年4月に入社したばかりの橋本です。慶應義塾大学経済学部出身で、大学時代は野球部に所属していました。私も丸山さん同様、インキュベイトファンドは先輩の紹介で知りました。

ーーそれではまず、インキュベイトファンドにはどんな役割を担う人々がいるのか、そして事業開発アナリストとしての皆さんの業務内容について教えていただけますか。

丸山: ベンチャーキャピタル(以下VC)業務の中でも、フロント業と言われる、投資に関与する役割を担う人々は3つのタイトルに分けられています。GPと言われるジェネラルパートナー、アソシエイト、そして僕たちのタイトルであるアナリスト(事業開発アナリスト・以下BDA)です。

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GPは投資するか否かの判断を行ったり、投資した後の経営支援を行ったりする責任を担っています。そしてGPと共に投資先の支援などを行うのがアソシエイトです。

私たちBDAは新規投資までの業務内容が担当になります。これはVCにおいてソーシングと言われる業務です。起業家の方や起業を検討されている方とお会いし、会社や事業を作るところ、そして最初のファイナンスを迎えるところまでを担当しています。

中村: なので私たちの日々の仕事は、起業家の方にコンタクトを取って面談を設定させていただき、条件などが合いそうであれば、社内の会議で共有したり、GPに繋いだりすることです。

それ以外にも日々リサーチ業務を行うことでインプットしたり、自らが仕掛ける側に回るためにもイベントを主催したりしています。

ーー丸山さん、橋本さんは先輩からの紹介でインキュベイトファンドを選んでくださったとのことですが、もともとVCなどに興味はあったのでしょうか。なぜインキュベイトファンドを選んでくれたのですか。

丸山: 就職活動をするまで、VCという言葉を知りませんでした。VCという仕事を知る前に「インキュベイトファンド」という固有名詞を知ったくらいです。インキュベイトファンドについて知る中で、自分の目指している像がGPたちが提示してくれている像と近かったので、ここで働きたいと思いました。

橋本: 同じくVCとは無縁の生活を送っており、先輩からインキュベイトファンドの説明会に誘ってもらい、初めてVCについて知りました。説明会で、0→1で新たな企業を作り、最終的にはGAFAのような企業を作ることを目指しているというお話を聞き、そこに魅力を感じて選考を受けました。

ーーお二人にとっては未知な世界だったのかと思いますが、入社してみていかがでしたか。

丸山: 思いや夢などがあっても、初めは自分に何ができるのか分からず、思い悩む日々でした。VCの一員として、プロとして仕事するにあたってはスキルセットは多方面において必要で、それぞれの領域で高いレベルが求められていると思います。それが分かっていても、現状としてはまだまだ実力が追いついていないところがあり、そのギャップに苦しむことは多いですね。

橋本: 知識面ではまだまだキャッチアップしなければならないところがあると同時に、どう起業家の方に貢献して一緒に事業を作っていくかについて日々模索中です。まだ入社4ヶ月ですが、アナリストとして、起業家の方とどう信頼関係を築いていくかが知識以上に大事なのではないかと感じています。

ーー中村さんは、大学時代からスタートアップやVCの世界に触れられていた上での入社ですが、入社してみて感じたギャップなどはありましたか。

中村: 大学時代からVCに関わってはいましたが、学生の時は起業家の方と直接お話しする機会もなかったので、いざ入社してみると一からのスタートという感覚でした。起業家の方々とどう向き合うか、どうやって信頼関係を築くか、自分は何を提供できるかといった初歩的なところから四苦八苦したのを覚えています。「知っているからできる」という業界でもないので、スタートラインでいうと本当に皆さんと変わらないんじゃないかなと思います。

新卒にできることは少ない、だからこそできることをする

ーー大学を卒業したばかりの自分に何ができるかについては多くの新卒入社メンバーがぶち当たる壁かと思います。

中村: 一度、起業家の方に聞いてみたことがあります。「私は全然貢献できていると思えないのですが、どうすればいいのでしょうか。」と。すると「中村さんはそれでいいですよ。今はGPが事業の細かいところを一緒にディスカッションしてくれているので。この事業で絶対いいんだ、もっと頑張らないと、といった追い風をくれているのは中村さんです。若いからこそ無邪気に僕を信じて応援してくれているのが嬉しい。」と言われました。

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新卒のアナリストに何ができるのかと聞かれることもあるのですが、まずは起業家とその方の事業を本気で信じて、「一緒に頑張ろう」と言うことができればいいのではないかと思っています。

ーー丸山さんはいかがですか。

丸山: 同じような経験が僕にもありました。入社1年目の時に出会った起業家の方は事業会社での実務経験も、スタートアップでのCXO経験もある方で、すごい方に出会ってしまったと初めは思いました。自分には何もできないのではないかと思ったのですが、斬新な視点の共有や、事業のポテンシャルを見て、自分に期待してくれたことがすごく糧になったと言ってくださいました。

特に初めは自分に何ができるのかと思ってしまうこともあると思いますが、変にハードルを高く課さず、目の前の相手に集中するということが大事なのかなと思います。

ーーお二人とも素敵な起業家との出会いがあったんですね。橋本さんも同じような壁に今まさにぶち当たっているところでしょうか。

橋本: 自分に何ができるのだろうと日々考えていますね。起業家に自分が貢献できることを探した結果、 起業家の資料作りやリサーチを手伝うなど、小さいことかもしれませんが、自分にもできることはたくさんあると気づきました。

僕も2歳年上の起業家の方とお話しさせていただいているのですが、ある時その方に「他のVCからもお話をもらっているけれど、正直橋本さんと、インキュベイトファンドと僕はやりたいと思っているので一緒に継続的にディスカッションしていきたい」と言われました。これは自分にできることを探して、行動してきたから言っていただけた言葉じゃないかなと思っています。

できることが少ないからこそ、できることをやる。これからの大事な指針になりました。

起業家と話す以外にも広げられる、恵まれた職場環境

ーーこれまで働いてきた中で、楽しかったことや大変だったことなど何か印象に残っている出来事はありますか。

中村: とある会社の方がピッチ資料を持ってきてくださった時、直感的に「この会社めちゃくちゃ素敵!」と思ったのですが、話を聞くとそれまで話をしたVCからは断られているとのことでした。そこで、ピッチ資料を一緒に作り直して見せ方を変えてみたところ、VCから数社オファーをいただくことができたのです。

自分達の介在価値をきちんと生み出すことができたことは自信に繋がりました。そしてそれ以上に、その起業家が魂をかけて作ったプロダクトを世に出すことができたことがとても嬉しかったです。最終的にはその方にインキュベイトファンドからも出資をさせていただくことになったのでとても印象に残っています。

インキュベイトファンドでは社内の会議に上げるエクイティストーリーと呼ばれるピッチ資料をBDA自らが作成しています。それは起業家の方が共有してくださる資料に、社内で必要とされる情報が揃っていないことがあるからです。私たちは日々たくさんのピッチ資料をみていて、VCがどんな情報を必要としているか、どんなピッチ資料が意思決定者に刺さるかをある程度分かっています。そんな私たちがいるからこそ、実現する出資があると思っています。

ーー素敵なエピソードですね。

丸山: 確かにエクイティストーリーには正解がありません。その中で僕たちは、プロフェッショナルとして、僕らだからこそできる提案や説明の仕方があると思います。事業を適切に説明することで、機会が失われるのを防ぐことができていると考えたら、とても価値がある仕事ですよね。

ーーBDAの皆さんはイベントを主催することもありますね。

中村: いくつか関わらせていただいているのですが、1つ例を挙げると、アソシエイトの松本がオーナーとしてやっているIF Women’s Community(通称IWC)があります。

IWCは女性起業家向けのコミュニティです。起業家や、これから起業を考えている方々がVCとの壁打ちができる場となっており、女性起業家をチアアップするようなイベントなどを定期的に行っています。

コミュニティとしてどんどん発展しており、最近ではIWCにいる女性起業家の資金調達リリースを見かけることも多くなってきました。女性起業家に対するアンコンシャスバイアスはまだまだ存在していると感じているので、このコミュニティを通して彼女たちをサポートできたらと思っています。

ーー他のお二人は何かソーシング業務以外で行われているプロジェクトなどはありますか。

丸山: 対起業家の方の業務以外で増えてきたなと思うのはLP(リミテッドパートナー)の方との接点や、採用広報に近い形でのイベントへの参加などでしょうか。働く中で、インキュベイトファンドの価値をしっかり伝えられる存在でありたいと思うようになり、そこからイベントに積極的に関わるようになったり、営業を頑張ったりするようになったと思います。メインのフロント業務以外にも関われる機会がもらえるということはとても恵まれた環境だと思っています。

中村: 分かります。VCといえば起業家と対話することが仕事だというイメージがありましたが、実際にはそれ以外の仕事に関わる機会もたくさんあり、学ぶ機会に溢れていました。自分で掴みに行こうと思えば、積極的に掴みにいける環境になっているのはインキュベイトファンドの魅力だと思います。

インキュベイトファンドは個人の成長を後押ししてくれる最高の舞台

ーーせっかくなので、ぜひ他にも皆さんが感じているインキュベイトファンドの魅力を教えてください。

橋本: 本当にいい人、関わりやすい人が多いことが一番の魅力だと思います。今日ご一緒している丸山さんと中村さんとはご飯に行ったり、サウナに行ったりなどよくプライベートでも交流させていただいています。会社だけの関係にとどまらず、仕事以外でも交流したいと思える方がインキュベイトファンドにはたくさんいます。

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また、GPの方との距離が近いことも魅力ではないでしょうか。GPの方はいつもフランクに話してくださるのですが、これは当たり前じゃないな、と。GPの方とお話ができる機会があることは、とても勉強になっています。

中村: 会社のメンバーで飲みに行った時、楽しすぎて帰りたくないって思うことがよくあります。仕事の話もプライベートの話もできる仲間、人生を共に歩む仲間をインキュベイトファンドで見つけられたことは本当によかったです。

丸山: 確かに。旅行も兼ねてみんなで2泊3日で読書合宿に行ったこともあります。かといって強制では全然なく、柔軟さがあり、懐が深い人が多い職場だなと思います。

ーー最後に、インキュベイトファンドへの就職を考えてくださっている学生さんたちに一言ずつお願いできますか。

中村: もしもう一度学生に戻って就活をすることになっても、私はインキュベイトファンドを迷わず選ぶと思います。この会社に育ててもらっている恩もありますが、素敵な仲間と共に働けているからです。これを読んでくださっている方とも一緒に働ける日を楽しみにしています。

橋本: 入社して、VC業界は個性が出しやすい仕事だと知りました。自分の色を出しながら働きたい方にはぜひインキュベイトファンドを選択肢に入れてほしいと思います。

インキュベイトファンドの仲間がやっぱり最高なので、大好きな仲間と一緒に働けることは最大の魅力です。僕も、もしもう一度就活をすることになっても、またインキュベイトファンドに就職すると思います。

丸山: 就活をしていた時、自分の名前で働きたいと思っていました。当時はそのためにどういう環境に行けばいいかあまりよく分かっていませんでしたが、ぴったりな職場を選んだなと思っています。

インキュベイトファンドは将来的には独立を視野にして働くことを大前提にしていますが、会社の存在が自分の成長をしっかりと後押しもしてくれます。自分の名前でも生きられ、それを最大限レバレッジを効かせて価値を爆発させられる舞台のような場がインキュベイトファンドだと思います。最高の環境だなと常々思っているので、ぜひ一緒に働けたら嬉しいです。

26卒就活生の方へ

26年卒業予定の学生を対象とした、ベンチャーキャピタル(以下、VC)に関する講義イベントを今秋に開催いたします。

ご興味持っていただいた方は、ぜひエントリー下さい。

◼︎概要
日時:9月17日(火)、18日(水)、19日(木)、20日(金)の4日間 19:00~21:00

   ※17日、20日のみ18:30からのスタートとなります
場所:麻布台ヒルズ ガーデンプラザB(神谷町駅)
応募締め切り:8月29日(木) 23:59
詳細・申込はこちら

Podcastも配信中!

本対談はPodcastでも公開しています。

 

Podcastはこちら

Zero to Impact編集部

寄稿者

VCが運営するスタートアップ・VC業界の情報発信マガジン「Zero to Impact」を運営しています。起業家の魅力や、スタートアップへのお役立ち情報を発信します。ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」が運営。

VCが運営するスタートアップ・VC業界の情報発信マガジン「Zero to Impact」を運営しています。起業家の魅力や、スタートアップへのお役立ち情報を発信します。ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」が運営。

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