『Incubate Camp』は、本気で資金調達を目指すシード・アーリーステージの起業家とGP・パートナークラスのベンチャーキャピタリスト(以下ゲストVC)とがタッグを組んで事業を急加速させる、2日間の宿泊型イベントです。今年で17回目を迎え、2010年の1st開催以降、累計参加起業家人数は250名を突破、直近11th〜15thにおける参加企業の資金調達額は、約90億円を突破しています。
前編に引き続き、後編ではDAY2の様子をお伝えいたします。
7:00 朝食
Day2の始まりは朝食からスタートします。夜分遅くまで作業を行っていた起業家もいたようで、眠い目を擦りながらエネルギーを補給します。Day2もDay1同様、タイトなスケジュールとなるので、ここでしっかりと栄養補給を行います。
7:30 ブラッシュアップ再開
この時刻から会場が開き、Day2の作業を開始できます。昨晩の議論を踏まえて、最終ピッチ資料を作成していきます。決勝プレゼンテーションの最終資料提出時刻は11時までとなります。自らの思いの丈や事業内容について余すことなく伝えることができるよう、起業家・ゲストVC・インキュベイトファンドサポートメンバーがタッグを組んで、作業に取りかかりました。
11:00 プレゼン資料提出期限
11時の時刻をもって、決勝プレゼンテーションの資料提出締切となります。当初のスライド構成から大幅変更するチームもあり、ギリギリまで作業を行いました。昼食をとったら、決勝プレゼンテーションが始まります。ここからは起業家一人で決勝プレゼンテーションの練習を行います。タイトなスケジュールですが、ピッチの構成や話し方は、最終評価に大きな影響を与えます。最後の力を振り絞りながら、決勝プレゼンテーションに備えました。
11:00 ネットワーキングランチ
ゲストVCと参加起業家が決勝プレゼンテーションの準備を行う傍ら、別会場ではオーディエンス起業家・オーディエンスVC・ゲストVC・審査員・スポンサー様によるネットワーキングランチが開催されました。こちらはIncubate Campにおいて初めての試みでしたが、VC・事業会社・起業家が積極的に交流を行いました。国内のスタートアップ業界を牽引する方々約130名にご参加いただいたことで、非常に盛大なネットワーキングイベントとなりました。
12:30 決勝プレゼンテーション
Day2の決勝プレゼンテーションでは、審査員やスポンサーだけでなく、オーディエンス起業家・オーディエンスVCも参加し、過去最大規模の人数となりました。会場全体が参加者でいっぱいとなる中、より一層緊張感と高揚感を帯びて決勝プレゼンテーションが始まりました。各起業家がプレゼンテーションを行う前に、ゲストVCからの応援コメントがあります。ゲストVCからのコメントはどれも魅力的で、一晩で構築した関係とは思えないほど、起業家に対する信頼と事業に対する自信が垣間見れたコメントでした。発表では、Day1から資料構成を大幅に変更したチームや、事業内容についてより詳細に説明したチームなど、一晩でのブラッシュアップの成果を見ることができたプレゼンテーションでした。5分のピッチの後、審査員からの質疑応答があり、鋭い質問が飛び交いました。休憩を挟み、16組のピッチが行われる長丁場の決勝プレゼンテーションとはなりましたが、その長さを全く感じさせない、刺激のあるプレゼンテーションでした。
18:30 懇親会(表彰式・夕食・懇親会)
白熱したIncubate Campも、こちらの懇親会が最後のイベントとなります。事業内容について事業会社やVC・記者から質問を受けるなど、事業に進展が見られるコミュニケーションも生まれていました。事業に関する議論が行われていたのももちろんですが、この2日間の健闘を起業家同士・ゲストVC同士で讃え合っている姿は非常に印象的でした。
ゲストVC、審査員とスポンサーによる決勝プレゼンテーションの採点を経て、Incubate Campで優れたピッチや大きな成長を見せた起業家の表彰が行われます。
総合順位(1位〜3位):Day2にゲストVCおよび審査員が、投資検討の観点で最も評価した企業を選出
ベストグロース賞:ゲストVCおよび審査員によるDay2の順位が、ゲストVCによるDay1の順位から上がった企業を選出
スポンサー・オーディエンス賞:スポンサー様、オーディエンス起業家・VCがプレゼンテーションが魅力的でわかりやすく、一番応援したいと思った企業1社を選出
各種企業賞:プラチナスポンサー様5社が、独自に各社1社ずつ選出
ベストキャピタリスト賞:Day1のメンタリングで、起業家からの評価が最も高かったゲストVC5名を選出
Incubate Camp17thの結果はこちらになります!
今回はIncubate Camp17回の歴史の中で初となる女性起業家が1位を獲得しました!
【総合順位】Day2にゲストVCおよび審査員が、投資検討の観点で最も評価した企業を選出
1位:株式会社iiba / 逢澤 奈菜氏(担当:投資家 / 立岡 恵介氏)
事業概要:子育て特化のマッププラットフォーム
Webサイト:https://corporate.iiba.space/
2位:Powder Keg Technologies株式会社 / 濱村 将人氏(担当:グロービス・キャピタル・パートナーズ / 福島 智史氏)
事業概要:次世代AIデバイスによるセキュリティリスクの自動検証
Webサイト:https://powderkegtech.com/ja/
3位(タイ)株式会社LOKIAR / 伊藤 健太氏(担当:DIMENSION / 宮宗 孝光氏)
事業概要:メーカーの配送業務を自動化し、物流費を最適化するSaaS×3PL事業
Webサイト:https://www.lokiar.com
3位(タイ)株式会社Josan-she's / 渡邊 愛子氏(担当:伊藤忠テクノロジーベンチャーズ / 中野 慎三氏)
事業概要:助産師による産後ケアのトータルサポート
Webサイト:https://josanshes.co.jp
【ベストグロース賞】ゲストVCおよび審査員によるDay2の順位が、ゲストVCによるDay1の順位から上がった企業を選出
1位 株式会社Josan-she's / 渡邊 愛子氏(担当:伊藤忠テクノロジーベンチャーズ / 中野 慎三氏)
2位(タイ)株式会社iiba / 逢澤 奈菜氏(担当:投資家 / 立岡 恵介氏)
2位(タイ)HerLifeLab株式会社 / 大塚 響子氏(担当:JAFCO / 沼田 朋子氏)
各種企業賞:プラチナスポンサー様5社が、独自に各社1社ずつ選出
森ビル賞:at FOREST株式会社 / 小池 友紀氏(担当:Bonds Investment Group / 野内 敦氏)
HATARABA賞:株式会社アウトラウド / 朝澤 隼氏(担当:ANOBAKA / 長野 泰和氏)
三井不動産賞:株式会社アウトラウド / 朝澤 隼氏(担当:ANOBAKA / 長野 泰和氏)
GMOペイメントゲートウェイ賞:株式会社SAZO / ギル マロ氏(担当:W fund / 新 和博氏)
電通賞:nook株式会社 / 熊澤 龍生氏(担当:ジェネシア・ベンチャーズ / 田島 聡一氏)
【ベストキャピタリスト賞】:起業家からのメンタリングのフィードバック結果により、キャピタリスト3名を選出Day1のメンタリングで、起業家からの評価が最も高かったゲストVC5名を選出
1位 グロービス・キャピタル・パートナーズ / 福島 智史氏
2位 投資家 / 立岡 恵介氏
3位 WiL / 松本 真尚氏
4位(タイ) Bonds Investment Group / 野内 敦氏
4位(タイ) XTech Ventures / 手嶋 浩己氏
受賞された皆様、おめでとうございます!
潜入レポートは以上となります。
今回のIncubate Campは総勢6名の女性起業家が参加し、17回の歴史の中ではじめて女性起業家が1位を獲得するなど、スタートアップ業界に新たな風を呼び込むイベントになったのではないかと考えております。さらには参加人数が過去最大規模のイベントになったこともあり、登壇起業家だけに限らずより多くの方々にきっかけを提供できたイベントになったのではないでしょうか。当イベントを通じて、新たな事業機会の創出・資金調達のきっかけとなったならば、私たちにとってこれ以上の喜びはございません。
Incubate Camp17thの開催にあたり、ご協力くださった選考委員の皆様、ご参加いただいたゲストVCの皆様、審査員の皆様、オーディエンス起業家・VCの皆様、そしてご支援いただいたスポンサーの皆様、誠にありがとうございました。
そしてIncubate Camp17thにご参加いただいた起業家の皆様、2日間のタイトなスケジュールの中、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。
来年のIncubate Campに向けて、私たちも更なるパワーアップを目指していきます。スタートアップ業界全体を底上げしていくようなイベント開催に向けて、インキュベイトファンド社員一同、来年以降も尽力して参ります。
引き続きよろしくお願いいたします!
主将・松本の振り返りブログはこちら
(文・アナリスト 片岡 宏斗)