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2020/10/9

初日のピッチから運命のドラフト、休戦協定まで。起業家とVCの汗と涙の戦いに迫る!【Incubate Camp13th 潜入レポート前編】

執筆者:

上原 晶

『Incubate Camp』は、本気で資金調達を目指すシード/アーリーステージ起業家のための起業家/投資家合同経営合宿です。過去13回の開催約230名の起業家が合宿に参加し、累計調達金額は約270億円を突破しました。

Incubate Camp 13thでは、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う外出自粛を受けて、極力全ての選考プロセスをオンライン上で行いました。当日はコロナ感染対策を徹底し、マスク・フェイスシールドの着用徹底や立食形式の懇親会の廃止、検温・消毒の徹底を行った上でオフラインで開催しました。

Incubate Campの様子は参加者以外にほとんど伝わっておらず、謎に包まれたイベントという印象の方も多いのではないでしょうか。今回は、1泊2日にわたるイベントの全貌をわかりやすく解説していきたいと思います。

Incubate Campとは

インキュベイトファンドが主催するIncubate Campは、起業家と投資家が創業初期からパートナーシップを組み、事業創造を支援していくために立ち上げられました。参加スタートアップ企業に対しては、シード資金調達にとどまらず数千万〜十億円単位の資金調達を含めた機会を提供しています。

開催頻度:年に1度
参加者:シード・アーリステージの起業家、著名ベンチャーキャピタリスト
目的:有望な起業家を、VC業界横断的に支援する
特徴:VCと起業家がペアを組み、熱い想いを競う

Incubate Campの参加キャピタリスト

Incubate Camp 13thでは、24名の豪華キャピタリストの方々にご参加いただきました。

<ゲストキャピタリスト>(敬称略・氏名五十音順)
・グロービス・キャピタル・パートナーズ|代表パートナー 最高執行責任者(COO)|今野 穰
・東京大学エッジキャピタル|代表取締役 マネージングパートナー|郷治 友孝
・iSGSインベストメントワークス|代表取締役 代表パートナー|五嶋 一人
・サイバーエージェント・キャピタル|代表取締役社長|近藤 裕文
・セプテーニ・ホールディングス|代表取締役 グループ社長執行役員|佐藤 光紀
・スパイラル・キャピタル|パートナー|千葉 貴史
・ジェネシア・ベンチャーズ|代表取締役 General Partner|田島 聡一
・グローバル・ブレイン|General Partner|立岡 恵介
・STRIVE|代表パートナー|堤 達生
・XTech Ventures|代表パートナー|手嶋 浩己
・KVP|代表取締役社長 パートナー|長野 泰和
・B Dash Ventures|ディレクター|西田 隆一
・Bonds Investment Group|代表パートナー|野内 敦
・YJキャピタル|代表取締役社長|堀 新一郎
・インキュベイトファンド|赤浦 徹
・インキュベイトファンド|本間 真彦

<審査員>(敬称略・氏名五十音順)
・DBJキャピタル|代表取締役|内山 春彦
・グロービス・キャピタル・パートナーズ|代表パートナー|仮屋薗 聡一
・三井住友銀行|成長事業開発部 副部長|齋藤 健太郎
・W ventures|General Partner 代表パートナー|新 和博
・伊藤忠テクノロジーベンチャーズ|代表取締役社長|中野 慎三
・WiL|General Partner & Co-founder|松本 真尚
・インキュベイトファンド|村田 祐介
・インキュベイトファンド|和田 圭祐

Incubate Campの流れ

Incubate Camp 13thは、2020年10月2日(金)〜3日(土)に千葉県のオークラアカデミアパークホテルにて開催されました。Day1には起業家による5分間ピッチと全ゲストVCによるメンタリング、そして、それらを踏まえたドラフト形式でのマッチングを行いました。起業家とVCの各ペアは一晩かけて事業とプレゼンテーションをブラッシュアップし、Day2の午後には決勝プレゼンテーションで事業プランの完成度や一晩での成長度を競います。Day2の夜は表彰式を兼ねた懇親会で交流を深め、盛りだくさんの1泊2日が終了となります。

起業家とVCがそれぞれ16名ずつ集結し、起業家にとっては日常業務から離れて1泊2日じっくりと事業成長のみを考える機会ということで、次世代のイノベーションを担っていくようなスタートアップが生まれるよう、インキュベイトファンドとしても精一杯サポートさせていただきました。ここからは、Incubate Campの全貌を潜入レポート形式で解説していきたいと思います。

潜入レポート前編〜Day1〜

7:00 品川駅集合

Incubate Campの朝はとても早いです。金曜日の朝7時に品川駅周辺で集合し、起業家とスタッフはバスに乗って会場となるホテルへと向かいます。例年は1台のバスで移動しますが、今年は密を避けるため2台のバスで移動しました。

8:00 ホテル到着

ホテルに着いたら、検温シートを記入し、透明のフェイスシールドを着用します。検温シートって小学校の水泳の授業か修学旅行の時以来な気がしますが、参加者同士の安全を守るために徹底しました。基本的にはマスクとフェイスシールドの両方を常時着用し、飛沫感染の回避に努めました。

10:00 開会式

起業家とキャピタリストが大会場に集まり、開会式を行いました。インキュベイトファンド代表パートナーの和田の挨拶に始まり、今年のコロナ感染対策について説明を行なって皆さんの協力を求めました。Incubate Campの風物詩とも呼べる「インキュベイトー!キャンプ!!!」の掛け声は去年の録音を流し、参加者の皆さんは心の声で叫ぶことで飛沫を予防しました。

10:30 ピッチ開始

Day1の5分間ピッチでは、起業家が事業内容や今後の展望をプレゼンし、VCが評価します。ペアになりたいキャピタリストだけでなく、キャンプが終わった後に資金調達につなげたいVCにも興味を持ってもらう機会でもあるため、このピッチで会社の魅力をいかに伝えるかは大変重要です。

12:30 昼食

冒頭のピッチが終わったら、各々昼食会場に移動して昼食をとります。円卓で距離を取りつつ、和気あいあいとした雰囲気でランチを楽しみました。デザートの柿がほどよく熟れて甘くて美味しかったです。窓からは川のせせらぎが見えて、とまっていたしらさぎが美しかったです。素敵なお庭ですね。

13:30 メンタリング開始

4時間にわたるメンタリングでは、起業家全員がゲストVC全員のメンタリングを受けることができます。非常に長丁場ですが、1日にパートナー級のキャピタリスト16名からフィードバックをもらえるというのは、起業家にとって大変得難い機会です。様々な視点、角度からの指摘を受けることで視野が広がり、事業成長の大きな一歩になると思います。

このメンタリングはただのピッチに対するフィードバックではなく、Day1夜に控える起業家とキャピタリストのマッチングに向けて相性を見極めるための時間でもあります。投資判断や資金調達先選びにおいて、シードステージであるほど重要度が高いと言えるのが起業家とVCの相性です。一度VCから資金調達を行うと、そのVCとの付き合いは短くて数年、長ければ10年以上になります。いくら条件がよくても、相性の良くない相手と毎週のようにミーティングしたり頻繁に連絡を取ったりというのは苦痛です。メンタリング内の会話を通して、人としての相性が良いか、話していて違和感がないかもこの時間で確認することが大切です。

18:30 ドラフト

いよいよ、キャンプの夜を共に過ごす起業家とVCのペアを決定するドラフトの時間です。毎年恒例、壁谷さんによるルール説明という名のエンターテイメントで場が和んだところで、起業家とその人を指名したVCが壇上に呼ばれます。起業家とキャピタリストが一対一でマッチングされれば、ペア成立です。ただし、VCによる指名が重複した場合、キャピタリストは壇上で起業家に対し自分と組むメリットをアピールし、起業家は1人のキャピタリストを選びます。例年ならVCが手を差し出して起業家が握手に答えたらマッチング成立となりますが、今年は接触を避けるため、握手はNGとしました。

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<起業家 ー ゲストVCマッチング>

LexxPluss 阿蘇さん ー iSGSインベストメントワークス 五嶋さん
park&port 櫟山さん ー B Dash Ventures 西田さん
YAGO 井上さん ー インキュベイトファンド 赤浦さん
KiteRa ー XTech Ventures 手嶋さん
TERASS 江口さん ー グロービス・キャピタル・パートナーズ 今野さん
プレカル 大須賀さん ー グローバル・ブレイン 立岡さん
Smapo 蔭山さん ー KVP 長野さん
I’mbesideyou 神谷さん ー Bonds Investment Group 野内さん
Code 鈴木さん ー ジェネシア・ベンチャーズ 田島さん
Sportip 高久さん ー UTEC 郷治さん
プライシングスタジオ 高橋さん ー YJ キャピタル 堀さん
Worky 高松さん ー インキュベイトファンド 本間さん
ノウンズ 田中さん ー STRIVE 堤さん
CUICIN 辻さん ー サイバーエージェント・キャピタル 近藤さん
ログラス 布川さん ー Spiral Capital 千葉さん
KiZUKAI 山田さん ー セプテーニ・ホールディングス 佐藤さん

ここで、起業家による5分間ピッチをキャピタリストが5点満点で採点したものを集計した、Day1終了時点での順位が発表されます。

<Day1終了時点での順位>
ログラス 布川さん
KiZUKAI 山田さん
プレカル 大須賀さん
CUICIN 辻さん
LexxPluss 阿蘇さん

順位の高かった起業家の方はマッチングしたVCとともにさらに事業・ピッチをブラッシュアップしてパワーアップしてほしいですし、残念ながら上位にランクインできなかった方は総合評価だけでなくグロース賞も狙いつつ、Day2の決勝プレゼンテーションに向けて急成長してほしいと思います。

19:30 夕食

ペアの起業家とキャピタリストはこの夕食時間から事業・ピッチのブラッシュアップを開始します。24時には休戦協定で起業家は自室に戻らなくてはならないため、日付が変わるまでにいかにVCと意見を交わしピッチを改善できるかが勝負になります。

夜ご飯は洋食で美味しかったです。運営側でも夜食用にカロリーメイトやソイジョイを大量に持ってきているので、この後のディスカッションで小腹が空いてもつまめるようになっていました。

夕食後

夕食後は、24時まで各ペアに分かれて作業を行います。ホワイトボードがたくさん用意された部屋やリラックスして座れるソファーなど、皆さん思い思いの場所で翌日の決勝プレゼンテーションに向けてブラッシュアップを行なっていました。場所は自由、24時までなら何時間やるかも自由、少し飲みながらやっても構わないという、完全にそのペアの個性に任せた形を取っています。24時の休戦協定後は、起業家の皆さんは自室に戻って作業または休息をとっていただきます。今年は自室で徹夜でプランを仕上げる人もいらっしゃいました。

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以上、潜入レポート前編でした!

夜通しブラッシュアップに励んだ事業プレゼンは、翌日どのように変化を遂げるのでしょうか。いよいよ後編では汗と涙の決勝プレゼンテーションに迫ります!こうご期待ください!

上原 晶

寄稿者

慶應義塾大学商学部に在学中。ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」のインターン生として、リサーチ業務などを担当しています。中国語を学習しており、中国スタートアップに興味があります。大学卒業後はベンチャーキャピタリストとして、起業家と伴走していきたいと考えています。

慶應義塾大学商学部に在学中。ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」のインターン生として、リサーチ業務などを担当しています。中国語を学習しており、中国スタートアップに興味があります。大学卒業後はベンチャーキャピタリストとして、起業家と伴走していきたいと考えています。

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