Media

2019/02/12

Sansanに学ぶ、大企業向けBtoBソリューション営業を展開する上で大事なこととは

執筆者:

Zero to Impact編集部

20181217日、Sansan株式会社オフィスにてIncubate Fundの出資先企業を集めた勉強会が行われました。勉強会のテーマは、「BtoBソリューション営業(特に大企業への営業)を展開する上で大事なこととは?」と、出資先企業の多くが抱える悩みを解消するものとなっています。今回は、SMB営業と、大企業営業の両方を経験しているSansan株式会社取締役の富岡さんを講師に、勉強会を行いました。(本記事は、インキュベイトファンドのインターン生による潜入レポートです。)

SMB営業から大企業営業へ移行する際に考えるべきこととは?

Sansan社は、どういったタイミングで大企業に対する営業を始めたのか。

富岡さんによれば、最初は「企業の規模を問わず、売れるとこに売って行く」という姿勢で営業活動を行なっていました。しかしSansan社は、当時顧客としてシステムを導入してくれていたSMB企業に加え、大企業も顧客にする必要があると考えました。

その結果、これまでの営業部とは別に、「アカウント営業部」として大手向けへの営業部門を新設し、適性のありそうな社員を集めました。この取り組みは上手く行き、現在では大企業、中規模企業、小規模企業と規模ごとに3つの営業部を設置するまでに至ったとのことです。

では、Sansan社はどの様に「適性のありそうな人材」を選んだのでしょうか。富岡さんによれば、基本的には営業実績を見て判断しているとのことです。営業担当の社員には、あらゆる規模の企業に向けた営業を経験させ、その中でよりパフォーマンスの良い営業部門に所属させることで、マッチングを行なっています。また、会社の規模が大きくなればなるほど、クロージングに掛かる期間は長くなります。

よって、大企業への営業に関しては、半年単位での目標設定と、実績の振り返りを行なっているとのことです。 

また営業部門の人材を、採用を通して得る際には、経験や人脈よりも「より若い人」を採用したいと考えている様です。給与に関しては、社内のグレード制に従って決定されます。転職を通して入社してくる人材に関しては、パフォーマンスを見て、グレードの調整を行うそうです。

大企業向けの営業を行う上で、どのようにパイプラインを得ているのか

Sansan社の営業担当は、どの様に大手企業とのパイプラインを作っているのか。

富岡さんによれば、Sansan社はテレビCMや、ウェブマーケティングに加え、大企業に向けた「プッシュの営業」を行なっているとのこと。具体的には、⑴Sansan社の名刺管理・顧客管理サービスを通して、自社内で人脈を持っている社員を見つけて活用する、⑵ウェブサイト等から役員の名前や連絡先を検索し、アウトバウンドコールをする、⑶イベントを開催し、大企業のキーパーソンを集客し、人脈を手にするなどのアプローチを取っているといいます。

こうした業務は、「Sales Development」として、「商談やアポイントメントを作り出す」部隊が担当しているとのことです。 

また、Sansan社はコンペにも参加しており、「コンペで勝つ上で抑えるべきこと」を以下の様に挙げました。まず最初に大事になってくるのは、⑴ビジネスパートナーとして見てもらうこと。

そのためには、顧客となり得る企業へのヒアリングは欠かさず行い、集めた情報を元にソリューション営業を行うことは必須であるといいます。

次に重要となるのは、⑵顧客と何かしらの接点を持っておくことです。

相手が営業一般社員であっても、一度アポイントメントを取り会いに行くことが大事だといいます。こうしたアポを通して、「その会社の営業活動がどの様に行われているか?」や、「意思決定の鍵を握るのがどの部署か?」等を把握することができます。

営業を行う上でのキーマンの見抜き方

後半は、実際に悩みを抱えるCEOや営業担当の方々が、富岡さんへの質問を通し、大企業向け営業についての理解を深める会となりました。

その中でも、より議論の焦点となったのは「営業を行う上で、どうやってキーマンを見抜いているのか?」というものでした。

これに対して、Sansan社で様々な営業経験をしてきた営業部門の長谷川さんが、丁寧に説明をして下さいました。

まず実際に営業を行う前に、「どの部門が全社的な戦略を考える権限持つのか」探ることが大事だそうです。長谷川さんは、中・長期経営計画がどの部署で作られているか突き止めることで、そうした経営戦略に対する「提案」を、効果的に行うことができると考えています。そして、公表されている経営計画に関して、責任を負っている人・部署が判明した後に、直接該当する人達にアプローチを掛けるといいます。そうしたプロセスの中で、意思決定に関係する部門の役員等も説得することができれば、一層営業の成功確度を高めることができるそうです。 

こうした質問の他にも、初めて作られた大企業向け営業部隊の規模についてや、営業管理の手法について等多くの質問が挙がり、とても実りのある会となった様です!

今回自分はインターン生として、議事録を作成する立場で参加しましたが、「どの様に人脈を作るか」や、「どの様に人脈を有効に生かすか」などについて知見を深めることができ、とても為になる勉強会となりました。

 Incubate Fundは、こうした出資先企業への勉強会の他に、スタートアップの経営者や、スタートアップに関心がある方に向けたイベントも開催しております。是非そうしたイベントも、「EVENT」のページからご確認下さい。

Zero to Impact編集部

寄稿者

VCが運営するスタートアップ・VC業界の情報発信マガジン「Zero to Impact」を運営しています。起業家の魅力や、スタートアップへのお役立ち情報を発信します。ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」が運営。

VCが運営するスタートアップ・VC業界の情報発信マガジン「Zero to Impact」を運営しています。起業家の魅力や、スタートアップへのお役立ち情報を発信します。ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」が運営。

シリーズに合わせた資本と人材の両面から
成長速度を最大化する支援インフラを提供します

スタートアップ転職検討中の方へインキュベイトファンドに
キャリア相談する
View More

資本

人材

Flagship Fund

Blue Field
Program

新設投資機会の
Proactiveな創出

人材供給 for Startups.inc

Meet up

リアルイベント

IFLP

Circuit Meeting

GPの多様性を活かした
投資機会のカバレッジ

CxO Recruiting

チーム組織支援

人材供給

Meet up

リアルイベント

Incubate Camp

Pitch Day

VC間での協業実績と連携を活かした
資金調達支援

HR Support

エージェント連携と
独自プールを活かした人材採用支援

人材供給

Talent Network

オンラインDB