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2020/07/29

ブログスタートアップ資金調達の基礎Vol.7 選ばれるピッチ資料の作り方をテンプレートを使って徹底解説!

執筆者:

Zero to Impact編集部

シードファイナンスにおいてピッチ資料はとても重要な役割を果たします。どのような順番で何を語ればよいのか、しっかりと理解できていますか?今回はシード期やアーリー期において資金調達を目指す起業家の方に向けて、ピッチ資料についてテンプレートを用いて解説します。

※本記事は、インキュベイトファンドが主催する起業家むけ勉強会「Incubate School」の内容を記事化したものです。インキュベイトファンドが主催する勉強会に興味がある方は、ぜひメールマガジンに登録してイベント開催情報を受け取ってください。
 

ピッチブックの基礎(6) シードファイナンスのピッチ資料のテンプレート

今回は理想的なピッチブックの構成についてです。しっかりと資金調達するためには質の高いピッチブックを上手に作る必要があります。インキュベイトファンド流ピッチブックテンプレートを参考に解説していきます。

一言でいうと何を実現しようとしているのか

1つ目はショートディスクリプションです。一言でいうと何を実現したいのかを説明するスライドとなります。よくある事例として、ミッションをここに置くことであったり、簡単なプロダクト紹介をすることがあります。

解決すべき課題が何なのか

2つ目は解決するべき課題はなにかです。市場を踏まえてどのような課題があるのか、なぜその課題が魅力的なのか、を説明していくスライドになります。

解決策のおおまかな全体像を示せるか

3つ目はソリューションです。課題を解決するためのソリューションとして何が適切なのか自分たちが実現しようとしている解決策はどのようなものか、を大まかに説明するスライドになります。

実現したいプロダクトと、足元で作成するMVPはなにか

4つ目はプロダクトです。ソリューションで示した内容は実際どのようなプロダクトやサービスになるのかを説明するスライドになります。ここでは初期のプロダクトだけではなく、将来的に実現したいプロダクトとその提供価値も含めて説明することで、このプロダクトが世に浸透した時に本当に価値があるかどうかイメージしてもらうことが大事です。

どのような市場が背景に存在していて、なぜ今参入すべきか

5つ目はマーケットバックグラウンドです。どのような市場が存在していて、そのうえでなぜ今参入すべきなのか、を語るスライドです。なぜ今まで同様のプロダクトが存在しなかったのか、存在したとしてなぜ今市場を席巻していないのか、なぜ2020年の今からトライするべきなのか、テクノロジーの成熟やデバイスの浸透、課題の顕在化など、投資家からのWhy now?という問いに自信を持って答えられる必然性を伝えることが重要です。

競合にはどんなプレーヤーがいて、自分たちはどんなポジションを取るのか

6つ目はコンペティションです。市場においての競合状況や、その中での自分たちの目指すポジションはどこか、を明確に示すスライドです。

なぜ自分たちは勝てるのか

7つ目は競争力で、なぜ自分たちなら勝てるのかを示すスライドです。例えばチームのバックグラウンドや、所有する資産の量が挙げられます。

重要視するべきKPIが何なのか、現在のコンディションはどうか

8つ目はトラクションです。これまでの実績を紹介するのが理想的ですが、シードの場合はまだ実績がないことも多く、その場合はユーザーの声などでの代用されるケースが多いです。

ステージ毎の目標設定はどうか

9つ目はロードマップです。自分たちの実現したい世界を達成する上でどのようなロードマップを描いているのかを示すスライドです。プロダクトの開発やサービスの成長、売上の規模などを含めて、どのフェーズで何をするのか、結果としてどれくらい売上を生み出すのかを説明していく必要があります。

取り組む具体的なマーケティング/プロモーション施策はなにか

10つ目は成長プランです。ロードマップを実現するうえで、初期のターゲットはなにか成長戦略としてなにをするのか結果としてどれくらいを目指すのかを示します。

収益モデルやユニットエコノミクスの構成はステージに応じてどのように変わるのか

11つ目はビジネスモデルです。サービスやプロダクトを提供する中で課金ポイントはどこかエコノミクスがどう構成されているかを説明するスライドになります。ステージによってビジネスモデルが変わる場合は、課金体系の変更も含めて全体的に説明する必要があります。

今回ラウンドで証明したいことと、必要金額はいくらか

12つ目はファイナンシャルターゲットです。今回のラウンドでいくら資金調達したいのか調達した資金で何を証明するのか、を解説するスライドです。

フルコミットメンバーとしてどんな人がいるのか

最後にチームです。フルコミットメンバーとしてどんな経緯を持った人が参画しているのかを説明するスライドとなります。

以上のスライドを5分に収まるくらいでピッチするのが理想的です。 
 

ピッチブックの基礎(7) シードファイナンスのピッチブックにおいて重要なポイント

続いては、シードファイナンスのピッチにおける重要なポイントを説明してきます。

はじめからプロダクト・サービスの説明にならない

1つ目は初めからプロダクトやサービスの説明をしないことです。まずは自分たちが解決するべき市場課題がなにかを定義し、その魅力を伝える必要があります。市場や課題に対して興味関心を持ってもらうことを、ピッチのつかみとしてまず話しましょう。

MVPではなく(本気で)実現したい世界を語る

2つ目は本気で実現したい世界を語ることです。小さなスケールでは終わらないことを証明するために、プロダクトを通じて実現したい世界を表現することが大切です。またプロダクトの詳細がなくても、会社としてどんな世界を実現したいかを、ピッチ全体通して整合性をとって語っていくことが重要です。短期的な部分だけでなく、長期的な部分も視野に入れてピッチブックを作ることを心掛けましょう。

なぜ今なのか、なぜ自分たちだからこそ実現できるのか

3つ目はなぜ今なのか、なぜ自分たちなのかを説明することです。過去に同じ事業プランを考えた人はいなかったのか、いたのならなぜ実現できなかったのか、などを分かりやすく説明することが大事です。

本当にこの事業に共感してリスクを取って参画している人は誰か

4つ目はリスクをとって参画しているメンバーが誰かを示すことです。コミットメントの薄いアドバイザーを載せるケースが多いですが、そこはあまり重要視されておらず、むしろ本当に口説けている人がだれなのか、フルコミットしてくれるメンバーはいるのか、その人はどのような力を発揮できるのか、を説明しましょう。

売上・利益が数年後にいくらかよりも、具体的な事業の発展段階を順を追って説明する

5つ目は詳細な売上予測を立てるのではなく、具体的な事業の発展段階を順を追って説明することです。売上予測は絵に描いた餅なので、どのように事業を成長させるかの具体的な事業計画やロードマップを説明していくことが重要です。
 

まとめ

・ピッチブックにはある程度の流れが存在しており、そのテンプレートを活用することで効率よく主旨を伝えられる。
 

・ピッチでは長期的な視野を持って実現したい世界を語ることが大切である。

 

Zero to Impact編集部

寄稿者

VCが運営するスタートアップ・VC業界の情報発信マガジン「Zero to Impact」を運営しています。起業家の魅力や、スタートアップへのお役立ち情報を発信します。ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」が運営。

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