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2018/10/23

未来のCFOに求められることとは?(後編)〜失敗経験を語り、オールラウンダーな人材へ〜

執筆者:

Zero to Impact編集部

2018928日、Incubate Fund社主催で、「未来のCFOについて考える」というテーマで、パネルディスカッション・懇親会が行われました!日本ベンチャーキャピタル協会によると、スタートアップ業界の資金調達額は2012年以降増加の一途を辿っている中、スタートアップにて求められる「理想のCFO像とは何か」現役スタートアップCEOCFOが集まり議論されました。(本記事は、インキュベイトファンドのインターン生による潜入レポートです。)

CFOが今すぐにも欲しい」CEOの悩みとは

 パネルディスカッションでは、現在スタートアップとして急成長を遂げているホットな3社のCEOをお招きし、「今すぐ未来のCFOが欲しい」と思っているお三方に、「どんなCFOが欲しいか」についてパネルディスカッションをして頂きました。最初に、3人のCEOの方に自己紹介をして頂きました。

 最初は「距離も時間も超えて大切な人を知覚できる世界を創る」というコンセプトを元に、wifiもない老夫婦世帯に、孫や家族の動画を視聴できる様にする「まごチャンネル」の株式会社チカクから梶原さん。

 Apple社で12年間プロダクトと向き合い、現在は「まごチャンネル」といったハードウェアを製造する上で、キャッシュフローのマネジメントを担当する人材が必要になって来ているとのこと。 

2人目は、医師というバックグラウンドを持ち、人事労務の抱える様々な健康管理業務の支援から、働く人の健康をサポートする株式会社iCAREを率いる山田さん。株式会社iCAREは、ストレスチェックや過重労働のチェックといった人事労務にとって煩雑で複雑な業務を、チャットやデータの保管を通して支援する「HRTech」として、急成長をしています。

 そんな山田さんは、医師というバックグランド故に事業を進める上で、事業価値と「お金」を直接繋げることに関してサポートが欲しいと感じており、「どこまでリスクを取れるか」などCFOとして経営基盤を強固にするメンバーが欲しいと考えています。

 3人目は、給与の即日払いをサポートし、若者の資産形成のサポートを行う株式会社ペイミーCEOの後藤さん。株式会社ペイミーは今年4月、4.5億円の資金調達を行い、小売チェーン店舗などを中心に、70社以上の導入企業、12,000人を超える従業員に対してサービスを提供しています。

 若手のメンバーが揃うペイミー社では、事業拡大に伴い、在庫となるお金の管理や、従業員拡大などの面にて、「大人力があり」「ストッパーとなる」CFOを求めており、債権管理や資金調達に伴うパートナーを探しているとのことです。

 

CEOの求めるCFO像「失敗経験を語ってくれる様な人間」

 議題は、「CFOとして求める人材像は?」ということで、梶原さんは「自分からチェンジメーカーとして議論し、リーダーシップを持って引っ張って行ける様な」人材が欲しいと述べ、「積極性があって、自分から貪欲に挑戦し、下手したら失敗して学ぶ」といった姿勢がある様なCFOであればとても良いと語りました。

 山田さんは、「投資銀行出身とかはあまり気にしていない」「こんな失敗したんだよと素直に語ってくれる人は一気に信頼できる」と述べ、スタートアップ特有の挑戦するカルチャーで活躍ができるかが重要であると語ります。「CFO候補として失敗している方は怖いのでは?」という質問に対しては、「色々な失敗を語れる人は、仕事に誇りがあるから」と答えました。

 また、「CFOとして凄い人はネットワークを作って、どんどん学び」「必要な情報を得ていく」と梶原さんは語り、「自分たちもCEOが初めてで、学びながら事業を進めて」おり、「成長と共に事業展開を楽しめる方だと良いかな」と求めるCFO像をまとめました。

 後藤さんは、「改善スピードが速い人と仕事がしたい」と述べ、「CFOという役職ではなく、(財務)メンバーは求めていないのか?」という質問には、「当時24の自分と新卒のインターン生だった子たちのチームで6億円の資金調達をした。」「年は関係ない」「最初からCFOを目指して」欲しいと語ります。

 また、現在「理想の人材が来ない」ことについて、山田さんは「面接などで、何がしたいかが強すぎる人に対しては、慎重になっている」と語り、「何がしたいかは横に置いて」「誰と一緒に働きたいのか」を大事にして欲しいと述べました。

 最後に、まとめとして、「求められるCFO像」とは、スキルベースでなく、バリューアップや、経営企画に積極的に参画できる様な人材が求められているとファシリテーターを務めたIncubate Fund社の壁谷氏が締めました。

その後、参加者と講演を行った方を含めて懇親会が行われ、講演内容や、キャリアに関する議論が行われており、交流が活発に行われました! 

 

インターン生目線で学べたこと

 今回、前後編の内容を含めて、全体から学んだこととして、CFO(特にスタートアップ)とは、「チャレンジャー」であることが求められると感じました。CFOとは、「財務関連の要」として、手堅くスキルのある方をお呼びするというイメージがある中で、スタートアップでは、より「失敗を恐れず経営にチャレンジするCFO」像が求められていると感じました。

 今回のお話でより印象に残っているのが、梶原さんがおっしゃっていた「自分たちもCEOが初めてで、学びながら事業を進めている」という言葉で、そんな中CFOとして参加する場合、「自分の定められた職務をやる」だけでなく、CEOと互いに高め合って、成長し合える様な関係性が求められているなと思いました。

 最後に、「CFOのあり方」といった普段議論されないテーマを扱ったイベントは、新鮮なお話や、通常聞けない「リアル」を感じ取ることができ、多々刺激を受けることになりました!こういった「少し変わった」テーマのイベント等に参加してレビューなどを書いていきたいと思います。

Zero to Impact編集部

寄稿者

VCが運営するスタートアップ・VC業界の情報発信マガジン「Zero to Impact」を運営しています。起業家の魅力や、スタートアップへのお役立ち情報を発信します。ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」が運営。

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