インキュベイトキャンプは、本気で資金調達を目指すシード/アーリーステージ起業家を対象とした起業家/投資家の合同経営合宿です。過去15回の開催で250名以上の起業家が合宿に参加し、累計調達金額は500億円を突破しました。
今回のインキュベイトキャンプでは、起業家が直接応募いただける従来通りの「公募ルート」に加え、VC等からの推薦による「VC推薦ルート」を初の試みとして設置いたしました。また選考にあたっては外部VCから12名のキャピタリストの皆様にご協力いただき、16名の起業家が参加者として選出されました。ご協力いただいた選考委員会の皆様、誠にありがとうございました。
今回は、そんな1泊2日に渡って行われたインキュベイトキャンプ16thの全貌についてご紹介していきたいと思います。
インキュベイトキャンプ 16th 参加起業家一覧(敬称略・氏名五十音順)
株式会社ジーニアルテクノロジー / 阿部川 明優
事業概要:監査における面倒な照合作業を自動化・効率化するAIソフトウェア
Webサイト:https://www.genialtech.io/ja/
株式会社Wrusty / 上田 遼
事業概要:自費診療向けのオンライン診療プラットフォーム
Webサイト:https://wrusty.co/
株式会社パワーウェーブ / 種田 憲人
事業概要:モビリティ向けワイヤレス電力伝送技術
Webサイト:https://powerwave.co.jp/
株式会社Prediction / 大木 健一朗
事業概要:複合機を用いたB2B領域の課題を解決するマルチサイドプラットフォーム
Webサイト:https://prediction.co.jp/
株式会社knewit / 小川 直哉
事業概要:荷主・運送会社向けの納品情報可視化・管理SaaS
Webサイト:https://www.knewit.jp/
Onebox株式会社 / 奥村 恒太
事業概要:営業・CSのための顧客対応プラットフォーム
Webサイト:https://onebox.tokyo/
株式会社MUSE / 笠置 泰孝
事業概要:小売店舗の人手不足解決と売り場活性化を実現するプラットフォーム
Webサイト:https://www.muse-gr.com/
amu株式会社 / 加藤 広大
事業概要:廃漁網ナイロン素材ブランドの運営
Webサイト:https://www.amu.co.jp/
株式会社FACTORY X / 神谷 喜穂
事業概要:「在庫戦略モデル」の開発・展開
Webサイト:https://www.factory-x.com/
Zaimo株式会社 / 古城 巧
事業概要:AIを活用した財務モデル作成・経営管理SaaS
株式会社TxTo / 田中 雄太
事業概要:フリーランス・個人事業主のための確定申告
効率化アプリWebサイト:https://www.txto.co.jp/
株式会社アークス / 棚瀬 将康
事業概要:不妊治療の顕微授精におけるAI活用
Webサイト:https://www.arcs-inc.jp/
株式会社on call / 符 毅欣
事業概要:ドクターシェアリングプラットフォーム
Webサイト:https://oncall-japan.com/
株式会社M-INT / 藤尾 夏樹
事業概要:地域医療連携に向けた医療ネットワークの構築
Webサイト:https://m-int.life/
キッズウィークエンド株式会社 / 三浦 里江
事業概要:探究型オンライン教育プラットフォームの開発・運営
Webサイト:https://www.kidsweekend.jp/portal
LINDA PESA株式会社 / 山口 亜祐
事業概要:アフリカにおける中小向け経営管理アプリ
Webサイト:https://www.lindapesa-ltd.com/
インキュベイトキャンプの参加キャピタリスト(ゲストVC、審査員/敬称略・氏名五十音順)
サイバーエージェント・キャピタル|近藤 裕文
セブンテーニ・ホールディングス|佐藤 光紀
iSGSインベストメントワークス|佐藤 真希子
Coral Capital|澤山 陽平
W fund|新 和博
三井住友銀行|高橋 潤
ジェネシア・ベンチャーズ|田島 総一
グローバル・ブレイン|立岡 恵介
Spiral Capital|千葉 貴史
X Tech Ventures|手嶋 浩己
伊藤忠テクノロジーベンチャーズ|中野 慎三
ANOBAKA|長野 泰和
JAFCO|沼田 朋子
Bonds Investment Group|野内 敦
グロービス・キャピタル・パートナーズ|福島 智史
DIMENSION|宮宗 孝光
Eight Roads Ventures|村田 純一
UB Ventures|頼 嘉満
インキュベイトキャンプ16thは、2023年10月13日(金)〜14日(土)に千葉県のオークラアカデミアパークホテルにて開催されました。Day1では、各起業家が5分間のピッチを行い、その後各ゲストVCとのメンタリングを行います。その後、起業家とゲストVCによるドラフト形式でのマッチングを行いパートナーを決定します。各ペアは一晩かけて事業とプレゼンテーションをブラッシュアップします。Day2の午後には決勝プレゼンテーションを行い、事業プランの完成度や一晩での成長度を競います。Day2の夜は表彰式を兼ねた懇親会で交流を深め、盛りだくさんの1泊2日が終了します。
起業家とVCがそれぞれ16名ずつ集結し、起業家にとっては日常業務から離れて1泊2日じっくりと事業成長のみを考える機会ということで、次世代のイノベーションを担っていくようなスタートアップが生まれるよう、インキュベイトファンドとしても精一杯サポートさせていただきました。ここからは、インキュベイトキャンプの全貌を潜入レポート形式で解説していきたいと思います。
Day1 初回ピッチ・メンタリングからドラフトまで
8:00 品川駅集合
参加起業家は品川駅に集合して、大型バスに乗車して会場に向かいます。到着後にはDay1ピッチが行われることもあり、夜分遅くまでピッチ準備をしていた起業家の方もいらっしゃったようです。お忙しい中、時間通りにお集まりいただきありがとうございました。
9:00 オークラアカデミアパークホテル到着
ホテルに到着後、メイン会場に移動しました。ゲストVCも続々と到着し、会場内はこれからピッチが始まるという高揚感と緊張感に包まれていました。参加起業家はDay1ピッチの最終確認を行いました。
10:00 開会式
開会式では起業家の紹介とゲストVCの自己紹介を行います。起業家のみならず、ゲストVCとしてご参加いただいた国内を代表するキャピタリストからも「起業家と一緒に事業を創っていく」という気概を感じる、非常に熱気を帯びた開会式となりました。
10:40 起業家ピッチ(Day1)
Day1の5分間ピッチでは、起業家が事業内容や今後の展望をプレゼンし、キャピタリストが評価します。Day1ピッチは起業家にとって資金調達に繋げたいVCに興味を持ってもらう機会であるだけでなく、キャピタリストにとってもペアを組みたい起業家を見つける場でもあるため、このピッチで会社の魅力をいかに伝えるかが重要なポイントとなります。
12:30 昼食
休憩や食事の時間を通して、参加起業家同士の横の繋がりができていくのもインキュベイトキャンプの魅力の一つです。過去の参加起業家の方からは、キャンプ終了後もSNSやプレスリリースから同期参加者の動向を知ることで良い刺激を受けているという話を頂いています。
13:30 メンタリング開始
この時間では、起業家は参加キャピタリスト16名全員から直接フィードバックを受けます。4時間という長丁場のメンタリングにはなりますが、日本を代表するキャピタリストから直接フィードバックをもらえるというのは非常に貴重な機会です。各テーブルを15分ごとに、16回ローテションすることで、事業を様々な角度からブラッシュアップしていきます。途中経過の時点でも、既に事業が磨かれているという感想も頂きました。
19:00 ドラフト指名の結果発表・マッチング
ピッチとメンタリングを踏まえて、キャピタリストは参加起業家を”ペア”を組みたいと思った順に選択していただき、ドラフト方式でマッチングを行います。起業家と、指名したキャピタリストが壇上にあがり、一対一でマッチングされればペアが成立します。ただし、キャピタリストによる指名が重複した場合、キャピタリストは壇上で起業家に対して「想い」を主張していただき、起業家はその中から1人のキャピタリストを選びます。キャピタリストが手を差し出して起業家が握手に応じたらマッチング成立となります。起業家に対して「一緒に事業を創りたい」という想いをキャピタリスト自身で伝えている姿はなんとも新鮮な光景でした。
マッチした16組のペアは以下の通りです。
起業家 × ゲストVCマッチング(敬称略)
ここで、Day1時点での順位が発表されます。
Day1時点での順位(敬称略)
第1位 株式会社MUSE 笠置 泰孝
第2位 株式会社パワーウェーブ 種田 憲人
第3位 株式会社TxTo 田中 雄太
第4位 株式会社on-call 符 毅欣
第5位 株式会社アークス 棚瀬 将康
第5位 株式会社M-INT 藤尾 夏樹
Day1での結果はあくまでも途中経過です。Day1の結果やキャピタリストからのフィードバックを受けて翌日のプレゼンテーションに磨きをかけていきます。インキュベイトキャンプでは、この過程で一晩にして全スライドが変更されるといったこともあります。翌日の表彰では総合評価だけでなく前日比で1番順位が上がった起業家に向けてグロース賞も送られます。朝からピッチにメンタリングと盛りだくさんのコンテンツでしたが、ここからが起業家とキャピタリストにとっての正念場です。
20:00 夕食
ペアの起業家とキャピタリストは、この夕食時間後から事業・ピッチのブラッシュアップを行います。夕食時間からはインキュベイトファンドのメンバーもサポートメンバーとして合流しました。サポートメンバーは翌日のプレゼン資料作りやリサーチなど、起業家のサポートなどをメインに担当します。ここから夜にかけて事業をブラッシュアップするために、夕食をともにしながら交流を深めていきました。
20:30 ブラッシュアップタイム
ここから一晩かけてインキュベイトキャンプ恒例のブラッシュアップタイムが始まります。ブラッシュアップの時間はDay1の夜とDay2の午前中しかないので、夕食後すぐに事業のブラッシュアップが始まりました。起業家の想いや本当に実現したい未来を引き出して形にしていくのが、キャピタリストとしての腕の見せ所です。ホワイトボードに書き込みながらディスカッションするチームや、各々の部屋で作業を行うチームなど、それぞれが明日のピッチに備えて準備を行いました。チームによってはサポートメンバーと共に部屋で作業を行っているチームもありました。翌日は運命の決勝プレゼンテーションです。
後編に続きます。