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2021/05/24

インキュベイトファンド新卒第一号に聞く、「新卒VCの戦い方」

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キャリア

執筆者:

上原 晶

こんにちは、インキュベイトファンドインターンの上原晶(うえはら・あき)です!

少しだけ私の自己紹介をさせていただきますと、現在は慶應義塾大学商学部を一年間休学し、上海にある復旦大学にオンライン留学をしています。中国語で中国の経済や社会情勢、法律などを学んでおり、インキュベイトファンドでは中国語力を活かしたリサーチやオウンドメディアの記事執筆などを担当しています。将来はベンチャーキャピタリスト志望です。

自分自身新卒でVCに入社したいと考えており、インキュベイトファンドが今年度から開始した新卒制度にはぜひトライしたいと思っていました。そこで、将来の選択肢の解像度を上げるために、入社しての一ヶ月をどのように過ごしたかを先輩に聞いてみました。その内容が新卒VCに関心のある方に届けたいと感じるものだったので、noteにした次第です。

インキュベイトファンドは、「志ある起業家の挑戦を、愚直に支え抜く」をモットーに、創業期の投資・育成に特化した独立系ベンチャーキャピタルです。シード期のスタートアップへの投資において、国内最大規模の実績を有しています。

インキュベイトファンドの新卒制度は、日本のVCの層を厚くすることで産業を活性化することを目的とし、数年後の独立を前提としています。新卒採用を開始した背景について、詳しくは「代表パートナー赤浦が日本にキャピタリストを増やしたい理由」の記事をご覧ください。

インキュベイトファンドとして初の試みである新卒採用に飛び込んだ新卒第一号はどのように学び、何に取り組んでいるのか。新卒としての苦悩と試行錯誤、インキュベイトファンドならではの成長環境などについてお聞きしました。
(注:本noteは新卒4名に個別でインタビューした内容をトピックごとに並べ替え、全員が一緒に話したように見えるものになっています。)

※編集部注:この記事は上原晶さんのnoteからの転載です。
転載元:インキュベイトファンド新卒第一号に聞く、「新卒VCの戦い方」

インキュベイトファンド新卒入社メンバープロフィール

溝口然(みぞぐち・ぜん)
県立人吉高校(熊本県)出身。慶應義塾大学 法学部2021年卒業。

下原右多(しもはら・ゆうた)
私立修道高校(広島県)出身。一橋大学 商学部2021年卒業。

岩崎遼登(いわさき・りょうと)
筑波大学附属駒場高校(東京都)出身。東京大学 工学部2021年卒業。

富永晃世(とみなが・こうよう)
私立早稲田高等学校出身。東京大学 農学部獣医学科2021年卒業。

「よーいどん」で新規投資先のソーシングを開始

━インキュベイトファンドに入社しての一ヶ月間、何をしていましたか?

溝口:新規投資先のソーシング、つまり資金調達したい起業家の方を探してお会いし、資金調達につなげることをしていました。

インキュベイトファンドでは月に一回「サーキットミーティング」という投資意思決定者だけが集まる資金調達&事業相談会イベントを開催しているので、資金調達したい起業家の方にに対しては、そこへの出場に向けてコミュニケーションをとっていきます。

すぐに資金調達したい起業家さんだけではなく、まだ事業アイディアが固まっていない段階の方にもお会いするので、その場合は何度もお会いして壁打ち相手として一緒に事業を練っていきます

━何度もお会いして壁打ち相手になっているというのは、起業家さんに信頼されている感じがしていいですね!

岩崎:そうですね。週一以上のペースでお会いして事業アイディアをブラッシュアップしている起業家さんもいるので、何でも率直に話してくれて、信頼してくれているのは嬉しい限りです。

溝口:あとは、サーキットミーティングに参加するための倍率は高いので、壁打ちした起業家さんが参加できるようピッチ資料を一緒に作るなどの様々なサポートをしています。

━そのゼロイチから伴走するスタイルはインキュベイトファンドがずっとやってきたことそのものですよね。入社後はすぐにソーシングを始めたんですか?

溝口:最初に5日間の研修がありましたが、それが終わった瞬間、よーいどんでソーシング開始でした。実は最初の2、3日は新卒同士がギクシャクしちゃって、4人でミーティングしてもみんなお互いに手の内を明かさなかったりとか(笑) 各々のやり方が軌道に乗ってきたらまた仲良くなりましたね。

岩崎:よーいどんで同時にスタートしたからこそ、同期は常に比較対象でありよきライバルです。僕は毎日必ず全員の日報を読んで、動きを把握するようにしています。

刺激し合える優秀な同期と、頼れるメンター陣

━今回話を聞いてみて、4人が同じソーシングというミッションに全く違うアプローチで取り組んでいるのがわかりました。

富永:それは全員に聞いた上原さんが一番わかってますよね(笑) 新卒4人でやり方が似てしまうんじゃないかと心配しましたが、実際そんなことはありませんでした。

他の3人はもっと動いて成果を出してるんじゃないかという危機感は常にあるし、その緊張感が成長のための良い刺激になっています。20代でVCをやっている人はたくさんいらっしゃいますが、全く同じ条件でスタートした仲間でありライバルがいるのは、新卒採用ならではの強みだと思います。

━お互いに刺激し合える環境は素晴らしいですよね。でも、さすがに最初は何から始めていいのか分からなかったと思うんですが、どのように学んでいったんですか?

下原:新卒にはメンターとしてアソシエイトが一人ずつ付いてくれるので、当初はアソシエイトと起業家のミーティングに数回同席させてもらっていました。最近は、週一程度の頻度で1on1の時間を設けて、目標・KPIの設定と振り返りなどを一緒にしていただいています。

VCに中途採用で入る方は前職などの経験をもとに仕事をされるので、教育らしい教育というのはないと思うんですね。それに対して新卒はゼロベースが前提なので、先輩からVCとしての経験やノウハウをなんでも教えてもらえます。そこも新卒の強みの一つではないでしょうか。

岩崎:過去の事例や資金調達周りなど、実情を一番よく知っているのはVCとして歴のあるアソシエイトだと思います。実際どうなの、という部分を気軽に聞ける相手がいるというのはすごく助かりました。

富永:担当のアソシエイト以外にも、バックオフィスの皆さんとも雑談ベースで色々と教えていただいています。インキュベイトファンドのバックオフィスには様々な業界から優秀な方々が集結していて、彼らとお話しすることは、新卒で大学からVC業界に飛び込んできた自分たちにとっては見識を広げる大変良い機会になります。

VCは強烈な個人主義であることが多いので、こうして皆さんで新卒をゼロから育てていただけているのは、バックオフィス含め集団で強いインキュベイトファンドならではだと思います。

理想状態と現状のギャップ、不甲斐なさとの戦い

━ここまでの一ヶ月間で大変だと感じたことはありますか?

下原:僕たちは体育会などでスタートアップとは無縁の大学生活を送っていたので、圧倒的に経験も知識も不足しているのを痛感しています。でも、それは前からわかっていたしどうしようもないことなので、目の前の起業家さんに対して何が価値になるのかを日々考えて実行していくのが大切だと思います。

岩崎:起業家さんに思い通りにバリューを提供できず、理想状態と現状のギャップに日々不甲斐なさを感じていますが、僕自身、実は不甲斐なさに苦しむのは好きなんです。日々起業家さんと向き合わせていただく中で学ぶべき事柄にたくさん出会えるので、前提知識の不足に不甲斐なさを抱きながらも、一つ一つ自分のものにしていく楽しさを感じています。

━新卒でVC業界に飛び込む難しさはありますよね。界隈では新卒VCは無理だ、やめておいた方がいいという意見も聞かれますが、それに関してはどう考えていますか?

富永:新卒VCは無理だという意見もありますが、そこには難易度の問題が含まれていて、必ずしも新卒は無理、起業経験者なら成功する、というのは真ではないと思います。

インキュベイトファンドGPの赤浦さんや本間さんは新卒でジャフコに入社された後に独立していますし、前例をもとに考えるなら新卒でもVCをやることはできるはずです。

それに、これで僕たちがダメだったら素直に自分の能力不足だったのだと思えるほどに良い環境にいさせてもらっています。赤浦さんには僕たちに「Zero to Impact」の爆発力を期待していると言っていただいていますし、これからも仮説立てと検証のフローを回して日々成長していきたいです。

8年後の独立に向けて

━これからもしばらくはソーシング一本でやっていくとのことですが、他の業務に就かないのには何か意図があるんでしょうか?

富永:ソーシングだけ、って感じるかもしれないですけど、僕はこれがシードVCの本質だと思うんですよね。自分で仮説を立てて起業家さんを探してお会いして、一緒に事業を練ってアドバリューし、社内の稟議を通す。今やっていることは全ての基本だと思います。

岩崎:実は和田さんに、長期的な先のことは今は一旦考えず、短期でインキュベイトファンドのミッションを達成することに集中するようにと言われているんです。ミッションとはつまり新規投資先の開拓ですが、一旦ここに全集中するというのは確かに気持ちが楽ではあります。

ただ、長期と中期を履き違えることはしてはいけないと思っています。先のことは一旦考えないとはいえ、例えば数ヶ月程度先の話なら今すぐに仕込み始めるべきですよね。僕の話になりますが、「AG/SUM」という日経新聞主催のアグリ・フードテックイベントの運営をお手伝いさせていただくことになっていて、このような中期的な目線での仕込みは今から始めています

━最後に、今後の目標を教えていただけますか?

溝口:まずは、自分がソーシングしてバリューアップしてきた起業家さんが、インキュベイトファンドから投資を受けることを目標にしたいと思います。自分をきっかけにして資金調達が成功し、飛躍的に成長していく起業家さんが出てきたら嬉しいです。

長期的には、6〜8年程度を目安にインキュベイトファンドから数億円の出資をいただいて独立することが新卒入社の前提となっているので、それまでに自分がどのようなファンド組成で、どの領域でどのような仮説を持って独立するかを熟考していきたいです。

━ありがとうございました。入社からたった一ヶ月にも関わらず圧倒的スピードで成長されている皆さんの、今後の活躍がとても楽しみです!

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後もインキュベイトファンドインターンとしての気づきや、中国スタートアップに関するnoteを書いていきますので、よろしければTwitternoteの方フォローしていただけると嬉しいです!

 

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上原 晶

寄稿者

慶應義塾大学商学部に在学中。ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」のインターン生として、リサーチ業務などを担当しています。中国語を学習しており、中国スタートアップに興味があります。大学卒業後はベンチャーキャピタリストとして、起業家と伴走していきたいと考えています。

慶應義塾大学商学部に在学中。ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」のインターン生として、リサーチ業務などを担当しています。中国語を学習しており、中国スタートアップに興味があります。大学卒業後はベンチャーキャピタリストとして、起業家と伴走していきたいと考えています。

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